約80シナリオ稼働!RPAをフル活用する鍵は、社内の雰囲気作り/文明堂東京様
「3時のおやつは文明堂♪」誰しもが耳馴染みのあるCMです。120年の歴史を持ち日本を代表する老舗製菓業 株式会社文明堂東京様。今回は、導入から現場での円滑運用までRPA促進を担う総合企画本部情報システム部太田様に、どのような活用をされているのか語っていただきました。【2019年10月導入】
導入のきかっけは、代表の声。決めてはわかりやすい画面設計と価格
元々のきっかけは、当社代表の提案でした。お付き合いのある企業が既にアシロボを導入されていて、世の中的にもRPAに注目が高まっていることもあり、新しいもの好きの代表が導入検討をと話があがりました。
その後、私が各社のRPA製品を比較検証した所、主流なRPA製品は、技術者よりの画面(ユーザーインターフェイス)が多かったんです。そういった製品は、当社では導入が難しいなと。一方で、アシロボはユーザーフレンドリー、システム開発に携わったことの無い利用者視点に立った作りになっている印象でした。以前、私がシステム開発をしていた頃にRPAに近しいものを開発したことがあったので、アシロボのデモンストレーションを見た時、すんなりと腑に落ちました。
最終的にアシロボ導入の決め手になったのは、分かりやすい画面設計と価格。運用にあたって、価格がリーズナブルなのは非常にありがたい。他社製品は倍程度、高い相場感でしたからね(笑)
残業も発生していた、1日20回以上の出荷集計業務をRPA化へ
生産計画を担う生産本部業務部(東京都 村山工場/ 以下業務部)で導入しています。また一部ですが、経理部でも使用しています。当社の場合、業務の中心になるのが社内基幹システム。業務部では、社内基幹システムから出荷予定を抽出して、商品別に集計する業務をRPA化しました。具体的には、ワンオペレーション3分、スケジュールの実行登録で一日20回以上稼働しています。従来は、集計業務のために人が残業しながらやっていた作業なので、なんとか自動化できないか課題になっていましたが、今ではRPA化が実現したことで導入効果もかなり出ています。
他には、社内開示用のお得意先情報の作成です。従来は定期的に、情報システム部が人の手で当該情報を抽出し集計をかけ、共有サーバへアップロードしていました。日々の業務ではないのですが、今回の新型コロナウイルスの影響で、出勤ができず在宅勤務になった際に、ここを無人化できたことでスムーズな移行ができ、大きな効果がありました。他にも、商品マスタ情報・売上情報などの社内共有データアップロードも、今では無人化することが出来ています。
経理部での活用は、請求書の発行業務です。従来は社内基幹システムの指示画面に、お得意先様毎に何十回と取引先コードを入れて発行していました。これをマスタのような位置づけで、エクセルに顧客情報をリスト化し、エクセルから読み取り取引先コードを貼る。そのルーティン業務をアシロボで自動化しました。あとは、支払通知を取引先企業サイトからダウンロードし、それを共有サーバに入れる部分もRPA化に。私の印象ですが、経理部においては自動化できそうな業務が随分転がっている感じがします(笑)。経理系、金融系はRPA化できる業務はかなりありそうですよね。
知識ゼロスタートからのシナリオ作成者の育成
導入時は情報システム部が推進役としてシナリオの雛形を作成し、それをモチーフにして現場の社員にシナリオ作成・展開してもらっています。現在、シナリオ作成が出来る社員は3名。業務部に関しては、シナリオ作成者が運用部門からのリクエストに基づいて作成。経理は、実際に経理業務を行うスタッフがシナリオ作成しています。
シナリオ作成者は、元々プログラミング経験者でもなく、IT技術も持たない一般職の社員なんです。特に技術屋ではないので、知識はゼロベースからのスタート。もちろん導入時のフォローや技術的な相談、質問は情報システム部で受けますが、基本的には自発的にやってもらっています。アシロボのユーザーインターフェースがいいので取組みやすいのだと思います。社員同士で教え合ったり、情報を提示しあったり、面白みを感じながらやっているみたいですよ。導入から8ヶ月。もう今は私の手から手離れしていて、いい感じで回っていますよ。
現在約80シナリオ稼働!RPAを活用し倒すための体制作り
現在稼働しているシナリオは、1日20回程度動くものから経理系の月1回程度のものまで約80本あります。
基本的には、各拠点で自動化のニーズが異なるので、現場に一人シナリオ作成者がいる体制が理想です。当社代表からも、もっともっとアシロボの啓蒙活動を活発にして、全社的に有効活用して欲しいと依頼があって。そうなると社内で「あの部署ではこんな事をやっている」「うちでもこんなことが出来ないか」と活発なやり取りが生まれ波及効果も出ています。今後は、アシロボを使いこなせる社員を更に増やし、全社的に技術的な引き出しが増えることを期待しています。
今後の予定は、8月中旬頃に名古屋にある西日本支社でアシロボを導入予定です。既に、そこの業務で活用するシナリオの構想もいくつかあり、さらに浦和工場でも準備が進んでいます。導入の予定が詰まっていますよ。
社内の声は?
現場では、人手を介さずに、無人で失敗することなく確実にデータが生成されている事へのありがたみの声が挙がっています。日々幾度も有人でやっていた業務が、手離れして他の優位的な業務に時間が割けると評価の声が多いですよ。
コロナ禍でのRPAの活用
新宿本社は、6月からは通常勤務に戻っていましたが、最近の感染拡大に伴い、在宅に切り替えています。(取材時は7月下旬)。他支店でも、テレワークが可能な場合、在宅勤務を推奨しています。8月中旬の西日本支社へのアシロボ導入予定計画では、受注チームの一部業務をRPA化することでシフトを組んで出勤出来ないかを想定しています。出勤自体をゼロには出来ないのですが、今まではフル出社が当たり前でしたので。逆にいえば首都圏の受注チームの部署も業務を自動化できる可能性は大いにありますよね。
これから導入検討している企業へのメッセージ
一般的なRPA製品の操作性は、エンジニア寄りの視点が多い中、アシロボはIT系の人間でなくてもユーザーフレンドリーの設定なので、導入の垣根は非常に低いです。簡単というよりはシンプル。もちろんプログラミングの知識があれば、導入から運用までかなり時間短縮でできますが、それがなくても導入が十分可能!まずは、1本動作するシナリオを設計してみて、ルーティン業務をどんどんアシロボで自動化してみてください。
インタビューご協力企業:株式会社文明堂東京様(東京都中央区日本橋室町1丁目13番7号)
菓子の製造および販売、喫茶店の経営など。明治33年長崎にて創業。実演販売や、増量サービス(おまけ)等で、カステラを身近なものへ。キャッチフレーズ「カステラ一番、電話は二番」でお馴染みの日本を代表する老舗製菓業。