RPAツールの比較方法7選。メリット・選び方と主要ツール比較表
概要
業務の自動化や業務効率化を目的としてさまざまな業界で導入が進んでいるRPA。
市場規模は年々拡大しており、多くのサービスが乱立しています。
ですが、自社の目的や課題に合わせて導入をしないと、「導入したけど定着しなかった」「なかなか効果が出ない」など、上手く使いこなせないこともあります。
そこで今回は、RPAツールの比較方法と、主要メーカーの比較表などをお伝えいたします。
RPAツールとは
RPAツールとは、Robotic Process Automationの略で、主にパソコンで行われる定型業務を自動化するツールのことです。
自動化というとマクロやAIもあげられますが、マクロはOfficeのソフトのみを自動化する一方、RPAは複数のシステムやアプリをまたいだ作業が可能です。
AIは人間の脳や目のような働きをし、判断をすることが可能ですが、AI単体のみで動くことはなく、スキャナーやRPAに組み込むことで高度な作業を自動化することができます。
RPAについては、以下で詳しく解説していますので、こちらも合わせてご確認ください。
RPAとは?|導入前に知りたい注目の理由とメリット
RPAツールは現在、市場規模を拡大していて、株式会社矢野経済研究所の調査によると、2023年度のRPAの市場規模は1,520億円RPAとはと予想しています。
参考:RPA市場に関する調査を実施(2020年) | ニュース・トピックス
そのため、RPAツールは多くのサービスが乱立するようになり、どのように選べば良いか分からないという方も多いのではないでしょうか。
今回は、RPAツールの比較方法と主要メーカーのRPAの比較表をご紹介いたします。
比較方法1:RPAの種類で選ぶ
RPAの比較方法として、RPAの種類で選ぶことが1つの方法です。
RPAには、
- デスクトップ型
- サーバー型
- クラウド型
の3種類があり、それぞれ費用や特徴が異なります。それぞれの価格の比較表は以下の通りです。
初期費用 ※参考価格 |
ランニングコスト ※参考価格 |
|
---|---|---|
デスクトップ型 | 0円~50万円程度 | 月額5万円~ |
サーバー型 | 10万円~数千万円になることも | 月額30万円~120万円 |
クラウド型 | 30万円~50万円 | 月額10万円~ |
主な3つのRPAの種類の特徴を以下で比較していきましょう。
デスクトップ型
デスクトップ型は、自社のパソコンにインストールするタイプのRPAです。パソコンにインストールするため、RDA(Robotic Desktop Automation)とも呼ばれます。
デスクトップ型は他の種類と比べて導入コストが安いのが特徴です。
個人のデスクトップで動かすため、個々の作業内容に合わせて細かく調整が可能なことや、気軽に導入が可能なこともメリットです。
定型業務が比較的少ない中〜小規模な企業向けのRPAです。
サーバー型
サーバー型は、RPAをサーバーにインストールすることで使用することができるRPAです。サーバーによる集中管理ができるため、多くのパソコンでRPAを一括で動かすことができるため、大企業で使われることが多い種類です。
ただし、導入までに時間がかかってしまうこと、導入費用や管理費用が高額になりやすいことがデメリットとしてあげられます。
RPAをすでに導入していて、運用の幅を大きくしたい企業などにおすすめです。
クラウド型
クラウド型のRPAツールは、提供先のサーバーにあるシステムをインターネットを通して利用するタイプのものです。
導入にコストがかからないことや、社内のパソコンでなくても利用ができるのが強みです。
ですが、自動化できる範囲はWebブラウザ上での作業に限られてしまうのがデメリットです。
比較方法2:対象業務で選ぶ
RPAの比較検討の際におさえておきたいポイントとして、対象業務で選ぶことがあげられます。
現場で行っている定型業務を自動化する場合には、サーバー型のような大規模なものは必要ないため、デスクトップ型やクラウド型を選び、部門をまたいで大規模で自動化する場合にはサーバー型を選ぶなど、自動化したい業務の規模や相性を確認しましょう。
後々規模を大きくしていく場合は、デスクトップ型やクラウド型は操作できる端末の増設が可能か、増設の料金はいくらなのかも確認しておくと良いでしょう。
また、手書き文字での申込書や請求書を使用している場合には、自動化する際にはAI-OCRとの連携ができると、より自動化が効果的になるでしょう。
RPAツールを比較検討する際には、対象となる業務との相性も加味して比較することが大切です。
比較方法3:シナリオ作成のしやすさで選ぶ
RPAで作業を自動化する場合には、業務フローや行っている操作をRPAに伝えるシナリオを作成しなければなりません。
ですが、シナリオ作成の方法もRPAのベンダーなどによってさまざまです。シナリオ作成が難しいものだと、「自動化がなかなか進まない」「メンテナンスに時間がかかる」など、自動化を進めにくくなってしまいます。そのため、RPAツールを比較する際には、シナリオ作成のしやすさはとても重要です。
ここでは、RPAのシナリオ作成のしやすさについてご紹介いたします。
構造認識・画像認識・座標指定について
構造認識 | 画像認識 | 座標認識 | |
仕組み | 内部構造をもとに位置を指定 | 画像をもとに位置を指定 | パソコン上の位置を指定 |
エラーの発生 | 少 | 中 | 多 |
メリット | 正確性が高い | 見た目だけで指定できる | 見た目だけで指定できる |
デメリット | ツールによってエラーの修正に時間がかかる | UIが変更になると認識ができなくなる | 使うパソコンやディスプレイが異なると認識ができなくなる |
構造認識は、Webページであれば表Aにある1行目2列目のセルBのページ上の住所を認識するように命令する認識方法です。オブジェクト認識とも呼ばれます。正確性が高く、広告が表示されたり、文字の大きさがが変更されても正常に動くことができるのがメリットですが、ある程度のプログラミングスキルが必要で、ツールによっては修正に時間がかかることがデメリットです。
画像認識は、指定の画像がある場所を認識するように命令する認識方法です。例えば、「検索」「申請」などのアイコンやボタンなどを画像で、RPAに覚えさせます。近年のRPAは、アイコンやボタンの大きさが多少変わっても認識できるようになってきています。
人間が行う動作をそのまま置き換えれば良いので、技術的スキルがなくてもシナリオ作成ができるのがメリットです。ただし、対象物の見た目が変わったり、別ウインドウなどで対象物が隠れてしまうと正しく操作できなくなるのがデメリットです。
座標認識は、デスクトップの左上を起点として、「横に〇ピクセル、下に〇ピクセル」というように座標を指定する認識方法です。
こちらもシンプルな認識方法で、RPAのみならずMicrosoft製品を中心に多くのアプリケーションで使われています。ただし、ウインドウサイズが変わったり画面が変化する場合には上手く対応できないのがデメリットです。
RPAは無料トライアルがあるものが多いため、実際に動かしてみてシナリオ作成のしやすさを確認しておくと良いでしょう。
コマンドの名前や設定項目のわかりやすさ
RPAには、プログラミング知識がある方が操作する前提で作られているものも多く、専門用語(例:パラーメーター、ライブラリ、サブルーチン等)が多く使用されていることもあります。
分からない単語が多いと、単語の意味を知ることから始めなければシナリオ作成が難しく、稼働させるまでに時間がかかってしまいます。
そのため、プログラミング知識がない方がシナリオ作成をする可能性がある場合には、コマンドの名前や設定項目がプログラミング知識がなくても分かりやすく記載されているものを選ぶと導入のスピードを早めることもできるでしょう。
RPAはプログラミング知識がなくても簡単に動かせるものも増えてきていますが、分岐や繰り返し設定など、よく使う基本的な動作が分かりやすく、UIが分かりやすいものを選ぶことをおすすめします。
シナリオのメンテナンスのしやすさ
シナリオ作成のしやすさはもちろん、メンテナンスのしやすさもRPAツールを比較するうえで確認しておきたいポイントです。
メンテナンスがしにくいものだと、「修正したら上手く動かなくなってしまった」「修正対応ばかりでコア業務ができない」など、システム担当者の負担になってしまうことが多いです。
メンテナンスがしやすく、部門ごとでメンテナンスができるような操作性のものを選ぶと良いでしょう。また、ベンダーからのサポートが充実していると、トラブルがあった際に対処しやすくなります。
比較方法4:サポート体制で選ぶ
初めてRPAを導入する際は、ベンダーのサポートが重要です。海外製のRPAの場合、英語でしか対応していなかったり、翻訳が不自然で分かりづらいという危険性もあります。サポートが分かりやすく、すぐに対応してもらえるかどうかは選定時に確認しておきましょう。
トラブルが起こった時の対応はもちろん、導入時のサポートやレクチャー等があると安心です。
比較方法5:規模に合った価格で選ぶ
RPAは種類やベンダーによって料金の幅が大きいため、自社の規模に合った価格のものを選ぶと無駄がありません。
導入時の費用と月額費用の他、
- サポート費用
- ライセンス費用
- サーバー管理費用
- 導入コンサルティング費用
などがかかる可能性がありますので、事前に見積もりを取って価格を比較すると良いでしょう。
比較方法6:複数のロボットを同時に起動できるかで選ぶ
RPAを導入する際、1つのロボットで良いのか、複数のロボットを稼働させる必要があるのかは選ぶ際に確認しておきましょう。
1台で複数のロボットを動かせるサーバー型やクラウド型なら、RPAを導入する際にパソコンを追加で購入する必要がないため、コストが抑えられます。
ですが、サーバー型はサーバー代が高く、100万円以上になってしまう、クラウド型はWebブラウザ上でしか動かせない、セキュリティ面で問題があるなど、デメリットもあります。
インストール型は複数のロボットを同時に動かすことはできませんが、RPAを増設することが可能ですので、価格やセキュリティ面を踏まえたうえで判断すると良いでしょう。
比較方法7:無料トライアルができるかで選ぶ
RPAはベンダーによって操作方法が違います。そのため、まずは無料トライアル等で使用感を確かめてから利用を始めることをおすすめします。
無料トライアルをする際には、全ての機能が使用できるかどうかや、セミナーなどに参加ができるかどうかも確認しておきましょう。
無料トライアル中も、自社の業務を効率化できているかどうか、どのくらいの効果があったのかを確認するため、KPIを設定し、効果測定まで行ってみることも重要です。
RPA導入のメリットとは?
ここまで、RPAの比較方法についてご紹介しましたが、RPAを導入することで具体的にどのようなメリットが得られるかを確認しておきましょう。
どのメリットに重点を置くかを知っておくと、RPAを選定する時のヒントになります。
ここでは、RPAを導入することによるメリットについてご紹介いたします。
作業時間の短縮
人が行っていた業務をロボットが行うことによって、作業時間を短縮することが可能になります。
人的ミスの削減
長時間同じような単純作業を行っていると、どうしても集中力が切れてしまい、ヒューマンエラーが起きてしまいがちです。
RPAに単純作業を任せると、ルールに従って高い精度で業務を行ってもらえるため、ミスの削減につながるでしょう。
人件費・残業代の削減
今まで、社員が残業をして行っていた作業や人材をアウトソーシングしていた場合は、RPAに任せることによって無駄な残業代・人件費を削減することが可能です。
残業を減らすことによって従業員満足度も向上し、離職率を低下させることができます。社員の定着率が上がれば、採用や教育にかかるコストを削減することにもつながるでしょう。
働き方改革にも有用
上記でもお伝えしたように、RPAを導入し残業が減ることによって、働き方改革の推進にもつながります。
また、削減された作業時間を使って人間が行うべきコア業務に注力することができ、単純作業を行うことによる精神的苦痛の解消にもなるでしょう。
また、属人化していた業務をRPAに任せることによって、有給取得率の向上にもつながり、従業員満足度を向上させられます。
RPAツール主要3社の費用・特徴を比較
おすすめのRPAツールを比較表で紹介いたします。
製品H | 製品D | アシロボ | |
価格(年間) | 90万円~ | 240万円~ | 60万円 |
種類 | デスクトップ型 | サーバー型 | デスクトップ型 |
操作説明会 | 有料 | 有料 | 無料 |
作業フロー図 | 必要 | 必要 | 不要 |
セキュリティ | ◎ | × | ◎ |
利用者 | 情報システム部門 | 現場部門 | 現場部門 |
アシロボは月額5万円で利用可能で、研修やサポートも無料で利用可能です。
セキュリティの高さ、現場部門でも利用できる手軽さから、官公庁や大手企業にも利用していただいている実績があります。
1ヶ月の無料トライアルも行っておりますので、RPAの導入を迷っている方は、ぜひ一度お問い合わせください。
おすすめRPAツール「アシロボ」のご紹介
弊社が提供しているRPAツール「アシロボ」は現場部門で導入が可能な分かりやすさと、事前準備がいらず、低価格で始められる手軽さから、多くの企業様に導入いただいております。
ここでは、アシロボの特徴についてご紹介いたします。
業界最安値クラスの低価格
アシロボは、月額5万円で2台のパソコンにRPAを導入することが可能です。
人件費で考えると、なんと時給34円。中小企業や部署決済もしやすい価格なので、RPAの導入が初めての方でも利用しやすくなっています。
導入後のサポートも充実。追加費用もなし
業界最安値クラスの低価格でありながら、導入後のアフターフォローも充実しています。
サポートチームがお客様の画面を拝見し、サポートする個別サポートも無制限で使うことができます。よく自動化の対象となる操作を中心に、サンプルシナリオも多数ご用意しておりますので、RPAの知識が全くない場合でも、すぐに始めることができます。
もちろん、サポートの追加費用はいただいておりません。
自治体にもご利用いただいている万全のセキュリティ体制
アシロボは、非インターネット環境でも利用することができ、情報漏えいのリスクが低いです。また、マーケティング用のバックドア(裏口)がなく、データの改ざんや破損、不正操作の心配がありません。
また、ネットワーク環境構築の知見を活かした良質な分散型管理コンソールも近日リリース予定です。
セキュリティの高さから、多くの自治体、官公庁でご利用いただいています。
業務フロー図が不要ですぐに利用できる
RPAを導入した企業がつまずきがちなのが、シナリオ作成です。
多くのRPAでは、プログラミング知識をつけた上で業務フローを作成し、シナリオ作成に着手しなければなりません。
アシロボは人が行っている操作をパネルで並べるだけで操作が進められるため、いつもの手順とルールを思い出すだけで利用可能です。
担当者が無料で育成できる
毎日操作説明会を行っていますので、RPAを習得したい社員が増えた場合でも無料で担当者を育成することが可能です。
他社のRPAを習得する場合、1ヶ月から半年程度かかることもあり、さらに習得のためのセミナーが有料であることも多いです。
アシロボでは、マクロが組める方であれば90分、それ以外の方でも7時間程度で実践レベルに社員を無料で教育することが可能です。
RPA導入時は比較検討を重ねて失敗がないようにしよう
RPAを導入することで従業員満足度の向上やコスト削減、作業時間の短縮など、さまざまなメリットが得られます。
ですが、RPAは多くのベンダーから提供されているため、比較検討を重ねて、自社に合ったものを導入することをおすすめします。
今回お伝えした比較方法を確認したうえで、自社の課題や目的に合ったサービスを選ぶようにしましょう。
アシロボは、月額5万円で無料のサポートが利用でき、無料でのサポートも充実しています。まずは低価格のRPAツールを導入したい、自社に合っているか確認したいという方は、ぜひ一度導入前相談をご利用ください。