企業の営業活動でより多くの成果をあげるためには、案件情報の共有や管理、分析が欠かせません。「Excelでの案件管理に限界を感じてきた」とお悩みの場合、案件管理システムの導入がおすすめです。
そこで本記事では、案件管理システムおすすめ16選を紹介するとともに、案件管理システムのメリット・デメリットや、どのような企業であれば導入効果が出やすいのかも解説します。
案件管理を徹底し、組織全体のパフォーマンスを向上させたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
案件管理システムおすすめ16選を徹底比較

数ある案件管理システムのなかでも、おすすめの16選を紹介します。
高性能な製品をはじめ、低価格なもの、PSA特化などカテゴリー別に紹介するので、気になるものはないか確認してみてください。
手軽な導入・小規模向けながら工数管理など高性能
はじめに、手軽な導入・小規模向けながら工数管理機能なども利用でき、高性能なシステムを紹介します。
ジョブマネ

| 主な機能 | 案件管理機能 顧客管理機能 スケジュール管理機能 工数管理機能 商談履歴機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小企業 |
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 1,000円〜/ユーザー 案件管理を利用したい場合、+3,000円/ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | 要問い合わせ |
| サポート体制 | チャット・電話・オンライン会議によるサポートあり |
| 運営会社 | ジョブマネ株式会社 |
「ジョブマネ」は、ジョブマネ株式会社が提供する案件管理システムです。初期費用は無料で、1ユーザーにつき月額1,000円から利用できるため、「案件管理をシステム化したいものの、予算が限られる」とお悩みの中小企業から多くの人気を集めています。
リーズナブルでありながらも機能が充実しているのが魅力で、案件管理や顧客管理、商談管理などのほか、経費精算や請求書発行、入金登録など、幅広い機能が一つに集約しています。複数のシステムを導入せずとも、ジョブマネを導入すればカバーできるため、コストパフォーマンスが非常に高いと言えるでしょう。
契約ユーザー数の制限もないため、営業チームの人数が少ない場合や、段階的に導入していきたい場合にもおすすめの案件管理システムです。
中小企業・低価格重視の案件管理システム
続いて、「なるべく費用を抑えたい」とお悩みの中小企業におすすめする、低価格な案件管理システムを紹介します。
kintone 営業支援パック

| 主な機能 | 案件管理 顧客管理 活動履歴管理 日報管理 交通費申請 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 無料(kintone契約内で導入可) |
| 月額利用料 | kintone基本利用料 1,000円〜/ユーザー (SFAパック自体は無料) |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり(30日間) |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | 名刺管理サービス、経費精算システムなど200種類以上のサービスと連携可能 |
| サポート体制 | 電話・メール・チャットでサポート |
| 運営会社 | サイボウズ株式会社 |
「kintone 営業支援パック」とは、業務改善プラットフォームである「kintone」を契約していれば導入できる、営業支援に特化した業務アプリのパッケージです。kintoneの基本使用料のみで導入でき、追加料金はかかりません。
営業支援パックは、kintoneの顧客管理・案件管理・活動履歴の3つの業務アプリがセットとなっており、各アプリ間で連携できる仕様となっているため、データ管理の効率化に即座に役立ちます。顧客の会社名や連絡先などの案件情報を一目で把握できるほか、営業担当者別の売上額や案件の進捗状況も可視化し、データ分析や意思決定のスピードアップが叶います。
案件ごとのアクション内容も活動履歴で管理できるため、現状のリアルタイムな把握や、後任者への引き継ぎも簡単に行えるのが便利なポイントです。
200種類以上のサービスと連携できるなど、システム自体の拡張性が高い点も人気を集めています。
Zoho CRM

| 主な機能 | 顧客管理 案件管理 営業支援 マーケティング自動化 データ分析 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 1,680円〜/ユーザー |
| 無料プラン | あり(3ユーザーまで) |
| 無料トライアル | あり(15日間) |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | Marketo Google Workspace Sansan Zapier Box など |
| サポート体制 | ユーザーコミュニティとサポート窓口を利用可能 |
| 運営会社 | ゾーホージャパン株式会社 |
「Zoho CRM」は、日本ではゾーホージャパン株式会社が提供する案件管理システム・CRMツールです。世界で30万社以上に導入されているクラウドサービスで、星野リゾートや明和地所、TISインテックグループなど、日本でも多くの有名企業に導入されています。
案件管理や見込み客管理、取引先管理などのCRM機能を中心に、営業プロセスの管理やリードスコアリングなどのSFA(営業支援)機能、マーケティングオートメーション、分析レポートの作成など幅広い機能を搭載し、月額1,680円〜/ユーザーとリーズナブルなのが魅力です。
低価格でありながらも導入効果は高く、「商談化率300%アップ」「一人当たりの売上高41%アップ」「解約率27%カット」など、確かな実績を残しています。
また、3ユーザーまでであれば無料で利用できるプランも用意されており、営業チームの人数が少なく、シンプルな案件管理システムをお探しの場合はおすすめです。
JUST.SFA

| 主な機能 | 案件管理 顧客管理 商談管理 スケジュール管理 データ分析 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 要問い合わせ |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | 無料トライアルの相談可能 |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | 販売管理システム、スケジュールシステムなどさまざまな外部システムと連携可能 |
| サポート体制 | メール・電話によるサポートあり |
| 運営会社 | 株式会社ジャストシステム |
「JUST.SFA」は、株式会社ジャストシステムが提供する案件管理システム/SFAです。新規開拓・既存深耕・ルートセールスなど、どの営業スタイルにも対応できるサービスとして人気を集めています。
JUST.SFAが選ばれる理由は、ノーコードでシステムをカスタマイズできる点です。SFAやCRM、案件管理システムなどのカスタマイズする場合は、高度な技術が必要とされるのが一般的とされています。しかし、ノーコードによるカスタマイズを実現することにより、自社の営業スタイルにぴったりなシステムをプログラミングの知識がなくとも簡単に構築できます。
「システムをカスタマイズしたいがリソースが足りない」「システム構築を外注するのはコストが高すぎる」とお悩みの場合、とくにおすすめのシステムと言えるでしょう。
Knowledge Suite

| 主な機能 | 案件管理 顧客管理 名刺管理 グループウェア など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小企業 |
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 55,000円〜/人数無制限 |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | 要問い合わせ |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | APIでさまざまなサービスと連携可能 |
| サポート体制 | メール・電話でサポートあり |
| 運営会社 | ブルーテック株式会社 |
「Knowledge Suite」は、ブルーテック株式会社が提供する案件管理システム/統合ビジネスアプリケーションです。初期費用は無料、月額55,000円〜のプランごとによる定額制で、ユーザー数は無制限で利用できます。
最大の特徴は、営業支援システムに顧客管理システム、グループウェアの機能が一つに統合されたシステムであり、豊富な機能が集約されている点です。メール配信システムやフォーム作成ツール、名刺交換やデジタル化サービスなども利用でき、幅広いシーンで業務効率化に役立つと期待できます。
案件管理にとどまらず、その他の領域においてもシステム化を進めたい企業におすすめの製品です。
Mazrica Sales

| 主な機能 | 案件管理機能 予実管理機能 スケジュール管理機能 タスク管理機能 見積書作成機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 6,500円〜/ユーザー ※10名から契約可能 |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | 楽楽精算 Marketo MotionBoard Sansan 人事労務freee など |
| サポート体制 | メール・チャットサポートあり |
| 運営会社 | 株式会社マツリカ |
「Mazrica Sales」は、株式会社マツリカが提供する案件管理システム/SFAです。利用者数3,700社以上を記録している人気サービスで、ソニーやJR東日本、リコー、ダイハツなど、有名企業にも多数導入されています。
顧客情報や案件情報、行動履歴をまとめて可視化でき、案件情報は「案件ボード」機能で一目で把握できるのが便利なポイント。現在進行中の案件を一覧化する機能で、簡単なドラッグ&ドロップ操作で更新できるほか、赤・青・黄の色分けでタスクの抜け漏れに気づけるのも助かります。
専用のモバイルアプリもリリースされており、OCR機能が搭載されているため、交換した名刺情報をすぐに登録・データ化できるのメリットです。
定番・高機能系の案件管理システム
ここからは、案件管理システムのなかでも定番で、高機能な製品を紹介します。
それぞれ順に解説します。
Salesforce Sales Cloud

| 主な機能 | 案件管理機能 顧客管理機能 予実管理機能 日報管理機能 見積書作成機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 3,000円〜/ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | Marketo BIZTEL 会計freee Slack Microsoft Teams など |
| サポート体制 | 電話・メールサポートあり |
| 運営会社 | 株式会社セールスフォース・ジャパン |
「Salesforce Sales Cloud」は、日本では株式会社セールスフォース・ジャパンが提供する案件管理システム/CRMです。営業プロセスの管理に必要な機能が一つにまとまったプラットフォームで、日本だけでなく世界中で導入されています。
案件情報や顧客情報、日報作成や予実管理などさまざまな機能を利用できるほか、新たに搭載されたAIエージェント「Agentforce」も魅力の一つ。24時間365日休まず、AIエージェントがインバウンドリードをナーチャリングし、営業担当者へのコーチングも行います。
営業担当者によるアプローチに加え、AI技術も活用することによって、成果を得るスピードをさらに加速できるでしょう。
GENIEE SFA/CRM

| 主な機能 | 案件管理機能 予実管理機能 スケジュール管理機能 タスク管理機能 見積書作成機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 34,800円〜/10ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | Slack Googleカレンダー BIZTEL Microsoft 365 Google Workspace など |
| サポート体制 | チャットサポート・導入支援あり |
| 運営会社 | 株式会社ジーニー |
「GENIEE SFA/CRM」は、株式会社ジーニーが提供する案件管理システム/SFA/CRMです。誰でも使いやすいシンプルな操作画面なのが特徴で、定着率は99%を誇ります。データの入力や編集、分析なども直感的な操作だけで完結するため、はじめてシステムを導入する場合にもおすすめでしょう。
また、本格的な稼働までが短期間に済むのも大きなメリットで、導入より1〜2ヶ月ほどで運用を開始できます。各種初期設定やデータ移行もドラッグ&ドロップのみで実施できるため、Excelからのデータ移行が必要な場合にもぴったりです。
10ユーザーから契約でき、1ユーザーあたり3,480円とリーズナブルなので、コストパフォーマンスを重視する場合もおすすめします。
国産・営業文化適応型の案件管理システム
続いて、国産・営業文化適応型の案件管理システムを紹介します。
esm(eセールスマネージャー)

| 主な機能 | 案件管理機能 顧客管理機能 社内SNS機能 カレンダー機能 タスク管理 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 3,500円〜/ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | Box Googleカレンダー Garoon Dropbox など |
| サポート体制 | 電話・メールサポートあり |
| 運営会社 | ソフトブレーン株式会社 |
「esm(eセールスマネージャー)」は、ソフトブレーン株式会社が提供する案件管理システム/SFA/CRMです。顧客情報や案件情報を一元管理でき、リアルタイムな情報共有を叶えます。
最大の特徴は、シングルインプット・マルチアウトプットで情報入力を効率化できること。PCやスマートフォンから情報を一度入力すれば、顧客情報管理・人脈管理・商談管理・予実管理・スケジュール管理など、関連する機能にまとめてデータが反映されます。わざわざ入力する手間がかからないため、情報共有を効率的に行えるのがメリットです。
MAツール、CTIシステム、ワークフローツールなど、その他の製品ラインアップも充実しているので、あわせて導入するのもおすすめでしょう。
Sales Force Assistant

| 主な機能 | 案件管理機能 スケジュール管理機能 日報管理機能 タスク管理機能 ワークフロー機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 50,000円 |
| 月額利用料 | 3,500円〜/ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) オンプレミス |
| 連携可能なサービス | 要問い合わせ |
| サポート体制 | 研修・コンサルティング・ヘルプデスクあり |
| 運営会社 | 株式会社NIコンサルティング |
「Sales Force Assistant」は、株式会社NIコンサルティングの案件管理システム/SFAです。案件型営業やルート型営業、リピートサイクル型営業など、さまざまな営業スタイルに合わせたサービスで、これまでに15,000社以上に導入されています。
案件管理や顧客管理、スケジュール管理などの基本的な機能をはじめ、「Sales Assist Intelligence」(SAI)によるAI秘書機能を利用できるのが最大のメリット。システム内に集約されたデータをSAIが学習・分析し、営業活動に関するアドバイスを提供します。フィードバックを繰り返していくとパーソナライズ化が進み、さらにアドバイスの精度が上がるため、業務効率化に大いに役立つでしょう。
機能が充実していながら、1ユーザーにつき3,500円〜とリーズナブルなのも魅力です。
プロジェクト・原価管理型(PSA特化)の案件管理システム
続いて、プロジェクト・原価管理型(PSA特化)の案件管理システムを紹介します。
Reforma PSA

| 主な機能 | 案件管理機能 販売管理機能 購買・受発注管理機能 勤怠管理機能 経費精算機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 30,000円〜 |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | API連携オプションで幅広いサービスと連携可能 |
| サポート体制 | 問い合わせ窓口やチャットサポートを利用可能 |
| 運営会社 | 株式会社オロ |
「Reforma PSA」は、クラウドERP「ZAC」で知られる株式会社オロが提供する案件管理システムです。ZACの提供を通じて蓄積してきた業務管理におけるノウハウを費やし、WebやIT、広告やコンサルティングなど、受託ビジネスにあった便利な機能の数々を提供しています。
経営判断に必要な数値をタイムリーに把握できるのが特徴で、受注前の案件から3ヶ月後、半年後の売上見込みまで可視化できるのは便利なポイントです。経営レポートはたったのワンクリックで作成できるため、迅速な経営判断に役立つでしょう。
サポート体制が充実しており、無償サポートや動画マニュアルだけでなく、有償の訪問サポートまで提供されているので、案件管理システムをはじめて導入する場合も安心です。
intra-mart DPS for Sales

| 主な機能 | 案件管理機能 予実管理機能 スケジュール管理機能 リード管理機能 日報管理機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 300,000円〜 |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド・オンプレミス |
| 連携可能なサービス | MAシステムや名刺管理システムなどさまざまな外部システムと連携可能 |
| サポート体制 | 要問い合わせ |
| 運営会社 | 株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマート |
「intra-mart DPS for Sales」は、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ・イントラマートが提供する案件管理システム/SFAです。クラウド版だけでなく、プライベートクラウド版やオンプレミス版も提供しており、ニーズに合わせて導入形態を選べます。
最大の特徴は、Excelで作成された帳票を簡単に再現できること。DPS for Sales上で入力された値とExcelのセルを紐づけておくことによって、入力値がそのまま反映されるため、プログラミングすることなくオリジナル帳票を作成できます。
情報の分析力も高く、システム上に集約された案件・商談情報を精密に分析し、高精度な受注予測・売上予測を提供可能です。データドリブンな経営が叶い、適切な意思決定や、パフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
外回り・現場対応型の案件管理システム
営業の外回りや現場対応にも強い案件管理システムは、次の2つです。
cyzen

| 主な機能 | 案件管理機能 予実管理機能 スケジュール管理機能 チャット機能 日報管理機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅企業 |
| 初期費用 | 90,000円〜 |
| 月額利用料 | 1,000円〜/ユーザー |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | 要問い合わせ |
| サポート体制 | 導入支援・ヘルプセンター利用可能 |
| 運営会社 | レッドフォックス株式会社 |
「cyzen」は、レッドフォックス株式会社が提供する案件管理システム/営業活動管理アプリです。外回り営業などのデスクレスワーカーのサポートに特化したサービスで、導入実績は630社以上、利用継続率は99%を誇ります。
外回り営業にぴったりな機能が豊富で、訪問先が一目でわかるオリジナル顧客マップ、チームの活動状況が見えるGPS機能、行動計画をシェアできるスケジュール管理機能など、他のシステムにはない機能も充実しています。
営業報告書はたったの10秒で作成できるので、日報作成が負担になっている場合にも大いに役立つでしょう。
ホットプロファイル

| 主な機能 | 名刺管理 オンライン名刺交換 案件管理 営業支援 マーケティングオートメーション など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 要問い合わせ |
| 無料プラン | なし |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | kintone Salesforce など |
| サポート体制 | 電話・メールサポートあり 導入支援あり(有償) |
| 運営会社 | 株式会社ハンモック |
「ホットプロファイル」は、株式会社ハンモックが提供する案件管理システム/名刺管理アプリです。ビックカメラやエステー、三菱重工、カシオなどの大手企業から、中小企業まで幅広く導入されています。
人気を集める理由は、新規開拓から名刺管理、営業支援までが集約されていること。リードスコアリングやシナリオ設計、メール配信などのマーケティングオートメーションをはじめ、名刺のデータ化や名寄せ などの名刺管理機能、案件管理や日報作成などの営業支援機能まで、営業プロセスを加速させる機能が揃っています。
有償ではあるものの、導入支援も利用できるため、システムの初期設定やデータ移行などが不安な場合にもおすすめです。
無料で使える案件管理システム
できる限り費用を抑えたいとお悩みの場合、以下の無料で使える案件管理システムがおすすめです。
HubSpot Sales Hub

「HubSpot Sales Hub」は、HubSpot Japan株式会社が提供する案件管理システム/SFAです。リード管理やメール・電話のトラッキング、案件管理、営業成績に関する分析レポートの作成など、営業を支援する機能が豊富に搭載されています。
AIによるサポートを利用できるのが特徴で、どのタイミングでどのようにアプローチするべきか、伝えるべき内容は何かなどをAIが分析し、成約への最短ルートを提案可能です。
有料版だけでなく無料版も提供されており、顧客管理や案件管理、見積書作成やレポート作成なども利用できるので、まずは無料版から導入してみるのもおすすめでしょう。
| 主な機能 | 案件管理 パイプライン管理 スケジュール管理 リード管理 セールスオートメーション など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅・大企業 |
| 初期費用 | 要問い合わせ |
| 月額利用料 | 1,800円〜(キャンペーン時)/ユーザー 2,400円〜(通常)/ユーザー |
| 無料プラン | あり |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | 要問い合わせ |
| サポート体制 | ヘルプデスクを利用可能 |
| 運営会社 | HubSpot Japan株式会社 |
monday.com

| 主な機能 | 案件管理機能 プロジェクト管理機能 タスク管理機能 目標管理機能 リソース管理機能 など |
|---|---|
| 対応従業員規模 | 中小・中堅企業 |
| 初期費用 | 無料 |
| 月額利用料 | 1,300円〜/ユーザー |
| 無料プラン | あり |
| 無料トライアル | あり |
| 提供形態 | クラウド(SaaS) |
| 連携可能なサービス | Slack Outlook Zoom Zendesk Twilio など |
| サポート体制 | チャットやオンラインミーティングなどでサポートあり |
| 運営会社 | 株式会社ギャプライズ(公式パートナー) |
「monday.com」は、monday.com Ltd.が提供しており、日本では株式会社ギャプライズが公式パートナーを務めている案件管理システム/業務管理ツールです。世界で約25万社もの企業に導入されています。
営業・CRM機能をはじめ、プロジェクト管理機能やマーケティング機能、人事機能などさまざまな製品ラインアップが揃っており、必要な機能を組み合わせて導入できるのがメリットです。
最大2ユーザーまでは無料で利用でき、有料版も1ユーザー1,300円〜とリーズナブルなので、コストパフォーマンスが高い点も人気を集めています。
案件管理システムとは営業・案件・商談を一元管理できるツール
案件管理システムとは、企業の営業活動における案件情報や商談情報を一元管理できるツールです。案件ごとの進捗状況や顧客情報を共有・可視化することによって、チーム全体のパフォーマンス向上を叶えます。
従来の案件管理方法は、Excelやスプレッドシートなどを利用するのが一般的で、リアルタイムでの情報共有や自動集計できませんでした。しかし、案件管理システムを利用すれば、顧客情報をはじめ商談履歴や進捗状況、受注見込み金額などをまとめて管理でき、営業チーム全体の動きを把握できます。
案件管理システムにより、営業担当者ごとの活動履歴が明確になることで、仮に担当者が異動になった場合や退職した場合も、大事な案件情報をもとにスムーズな引き継ぎが叶うでしょう。
また、案件管理システムには分析機能が搭載されているケースが多いため、営業活動の成功パターンを見つけ出し、チーム全体で共有することも可能です。
組織全体の営業力強化を叶えるためにも、案件管理システムは欠かせないツールと言えます。
それぞれ順に解説します。
案件管理システムと営業支援ツール(SFA)の違いを解説
案件管理システムと営業支援ツール(SFA:Sales Force Automation)は、混同されることも少なくありません。どちらも営業のパフォーマンス向上に貢献するツールではありますが、厳密に言えば役割が異なります。
案件管理システムは、その名前の通り主に「案件」を中心としたデータ管理や分析を得意としているツールです。個別の案件ごとに、担当者、商談の進捗状況や見込み金額、次回に取るアクションなどを管理し、最終的な成約に向けたプロセスを可視化します。
案件を可視化させたい場合や、営業進捗の管理を徹底したい場合、案件管理システムはおすすめのツールです。
一方で営業支援ツール(SFA)の場合、案件管理だけでなく、営業活動全体を包括的に支援します。そのため、顧客管理や行動管理、レポート作成や売上予測など、営業に関するさまざまな機能を利用可能です。
しかし、実際のところは、案件管理システムと営業支援システムの双方の機能を持っているツールが多く、あまり区別されないケースが多いでしょう。
案件管理システムの費用相場は1ユーザー月額1,000〜5,000円程度
案件管理システムの費用相場は、導入形態や機能の多さなどで幅があるものの、基本的には1ユーザーにつき月額1,000〜5,000円程度が相場です。
1ユーザー月額1,000〜2,000円ほどで使える案件管理システムの場合、案件管理や進捗管理、タスク管理などの重要な機能のみに絞られているケースが多く、営業スタッフ数の少ない小規模企業におすすめです。また、「案件管理システムをはじめて導入するため、機能が多すぎるのは避けたい」というケースにも適しています。
また、月額2,000〜3,000円程度の中価格帯のシステムの場合、便利なダッシュボード機能やレポート機能、MAツールやCTIシステムなどの外部システムとの連携も可能となり、さらに営業活動のパフォーマンスが高まります。
1ユーザーあたり月額5,000円以上する高価格帯のシステムの場合は、セールスオートメーションや高度な分析機能、AIを活用した効率化機能なども搭載され、営業チームの規模が大きい場合にも役立ちます。
案件管理システムの費用を検討する際は、月額料金だけでなく、初期費用の有無やデータ容量、サポート体制なども確認しておきましょう。
また、できれば無料トライアル期間を活用し、実際の使用感や自社業務との相性を確認してから導入することをおすすめします。
案件管理システムの選び方4選!比較ポイントを解説
案件管理システムは多くのサービスがあり、それぞれ異なる特徴や強みがあるため、「自社に最適なシステムがどれかわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
導入効果を得るためには、重要な比較ポイントを押さえた上で慎重に検討する必要があります。ここからは、案件管理システムを選ぶ際に注意すべき以下の4つのポイントについて確認していきましょう。
それぞれ順に解説します。
無料プラン・無料トライアルで操作感を試してから導入する
案件管理システムに限った話ではありませんが、ツールを導入する前には実際に操作してみることが重要です。製品の紹介ページや資料だけでは、実際の使い勝手や、自社業務との相性は判断できません。
導入してから「自社の業務フロート合わなかった」「使いづらい」などと悩まないためにも、無料プランや無料トライアルを積極的に活用しましょう。
案件管理システムの多くは、2週間から1ヶ月程度の無料トライアルを提供しており、トライアル期間中であれば有料機能を自由に使用できます。実際に現場で導入してみて、画面は見やすいか、操作はしやすいかなどを確認しましょう。
また、無料トライアルを最大限に活用するためには、ツールを評価するリストを作成しておくと効果的です。例えば、次のような評価ポイントを設定しておくことで、導入するべきか否かをスムーズに判断しやすくなります。
- 進捗状況の一覧は見やすいか
- 外出先からスマホでも更新できるか
- 案件の新規登録は簡単か
- 過去の商談履歴を素早く検索できるか
- 自社の業務システムと連携できるか
実際に使った後のフィードバックも複数人で行い、さまざまな視点からの意見を参考にすることも重要です。
クラウド型を選ぶと在宅・外出先でも案件進捗を更新できる
営業活動は、オフィス以外での行動も少なくありません。顧客先を訪問するために移動が多く、移動中にさまざまな案件活動を参照するケースも多いでしょう。そのため、案件管理システムを選ぶ際は、場所を選ばず使用できるクラウド型のシステムがおすすめです。
クラウド型の案件管理システムの大きなメリットは、インターネット環境があればいつでもどこでも使える点です。パソコンだけでなくスマートフォン、タブレットなどからアクセスでき、営業先への移動中、自宅でのテレワーク中でも使用できます。
クラウド型の案件管理システムであれば、商談直後に商談内容などを記録できるため、記録漏れを防止できるだけでなく、リアルタイムでの情報共有が可能です。チーム内での連携が円滑になることで、全体のパフォーマンス向上にも効果的でしょう。
また、クラウド型システムの場合、オンプレミス型(自社サーバー上に構築するタイプ)と比較すると初期費用を抑えられるほか、システムメンテナンスやアップデートもベンダー側が行ってくれるため、運用に手間がかからない点もメリットです。
Excel管理から移行するなら入力しやすさと自動化機能を重視
これまでExcelで案件を管理しており、案件管理システムへの移行を検討している場合、入力しやすさと自動化機能をとくに重視しましょう。
Excelを使って管理することに慣れている担当者にとって、新たなシステムへの移行は不安な面も少なくありません。「うまく操作できるのか」「Excelの方が使いやすいんじゃないか」という心配を解消するために、誰でも直感的に操作できるような案件管理システムを選びましょう。
案件の入力フォームがシンプルであったり、自動補完やプルダウンなどの入力支援機能も充実しているなど、簡単で効率的なシステムであれば円滑に移行できます。
データ移行の手間をできる限り減らしたい場合には、CSVファイルの取り込みに対応しており、データ移行を簡単に行えるシステムを選ぶことも重要です。
また、Excelではデータ管理を手動で行うほかありませんが、データ分析やレポート作成なども自動化できるシステムを導入することで、リアルタイムに情報共有と素早い意思決定が叶うでしょう。
チャット・メール・会計ソフトなどとの連携機能もチェックする
案件管理システムは、それ単体で活用しても十分便利なツールではありますが、既存の業務ツールと連携させることで、より生産性を向上できます。
ビジネスチャットツールやメールソフト、MAツール、CTIシステムや会計ソフトなどと連携できる製品がおすすめです。
例えば、ビジネスチャットツールと連携できるシステムの場合、案件のステータスが更新された際にチャットで通知が送られ、最新の動向を常に追うことができます。また、システムを開かずともチャットツール上でデータを確認できたり、簡易的な更新ができるケースもあるため、業務効率下に大きく貢献可能です。
加えて、GmailやOutlookなどのメールソフトと連携できる場合、商談相手とのメール履歴・内容などを案件管理システムに連携でき、情報共有の手間がかかりません。
その他にも、名刺管理アプリやカレンダーアプリ、Web会議ツールなど、自社で使用しているツールと連携できるか確認しておきましょう。
案件管理システム導入のメリットは情報共有と営業効率の改善
案件管理システムを導入することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。
ここでは、案件管理システムがもたらす具体的なメリットについて、以下の3点に沿って詳しく解説していきます。
それぞれ順に解説します。
案件ごとの進捗や担当状況をリアルタイムで把握できる
案件管理システムを導入する一番のメリットは、案件ごとの進捗や担当状況を集約し、リアルタイムで把握できる点です。
従来のExcelやスプレッドシートによる管理では、各営業担当者がファイルを更新し、共有フォルダにアップロードする流れが一般的でした。しかし、この方法では現状とのタイムラグが生じ、案件ごとのリアルタイムな情報がすぐに掴めません。
情報が可視化されないままだと、営業が属人化するほか、重大なミスが発見されづらかったり、業務の引き継ぎも円滑に行えないなど、さまざまなトラブルにつながってしまいます。
そこで案件管理システムを導入することにより、営業活動の透明性が高まって、どの案件が今どの段階にあるのかをいち早く把握できるようになります。案件管理システムの多くはクラウド型(SaaS)で提供されており、インターネット環境であればいつでもどこでも更新・確認が可能なので、情報共有が停滞することがありません。
また、各案件の進捗状況を集約して可視化できることで、成約に向けたサポートやフォローアップも適切なタイミングで行えます。しばらくレスポンスのない顧客への再アプローチの打診、大型案件のラストスパートにおける経営層の手配なども、システム上のデータをもとに迅速に行えるでしょう。
案件データをもとに見込み分析や営業戦略立案ができる
案件管理システムに蓄積されたデータは、単なる記録として残るだけではありません。案件データをもとに見込み分析や営業戦略立案を行い、データドリブンな営業を叶えるためにも、大きな効果を持ちます。
ちなみに、各製品で細かな点は異なりますが、案件管理システムで管理できる主なデータは次の通りです。
- 案件ID/案件名
- 顧客情報(会社名・部署・担当者・連絡先)
- 自社担当(部署・担当者)
- 流入経路/アプローチルート(問い合わせ種別・展示会・紹介など)
- 案件ステータス/進捗段階(例:訪問予定・見積提出・決裁待ち)
- 受注確度(A/B/Cや百分率)
- 受注予定金額・受注予定日/予定年月
- 見積・提案内容/ヒアリングメモ・要望
- 競合情報(競合会社・製品)
- 受注率・予測売上(パイプライン分析)
- 関与チャネル/代理店情報
- タスク/活動履歴(面談・コール・メール) など
案件管理システムには、上記の多様なデータが蓄積されていきます。これらのデータを分析することで、受注につながりやすい顧客の業種やアプローチルート、初回商談から受注までの平均時間、売れやすい価格帯などの傾向を把握でき、より多くの成果を得るための営業プロセスにつながります。
過去の成功パターンを分析して効果的な営業アプローチを明らかにしたい場合には、案件管理システムによるデータ収集と分析が欠かせないと言えるでしょう。
また、チーム全体の傾向だけでなく、営業担当者個人のパフォーマンスを分析し、データを活用することもできます。例えば、営業担当者別に案件数や受注率、平均案件金額などを比較した上で、トップパフォーマーのアプローチ方法や特性を共有すれば、チーム全体のパフォーマンス向上に効果的です。
営業成績がなかなか伸び悩んでいる場合は、失注案件の分析も欠かせません。失注理由を分析することで、早急に解決すべき課題が見えてきます。価格戦略を見直すべきなのか、あるいは営業トークに問題があるのかなど、具体的なボトルネックと対策を明確にしましょう。
Excel管理の属人化を防ぎ、誰でも案件状況を確認できる
案件管理システムを導入していない場合、Excelを使ってデータを管理しているケースが多いでしょう。導入コストを抑えることができ、比較的誰でも使いやすいExcelですが、属人化を招く原因にもなるため注意が必要です。
先にも説明した通り、営業活動はブラックボックス化してしまうことが少なくありません。その大きな原因の一つが、Excelによるデータ管理です。Excelを使って各営業担当者がデータを管理してしまうと、データをリアルタイムに集約できません。また、各担当者でフォーマットもバラバラの場合、さらに状況がわかりづらくなってしまいます。
案件管理が各担当者に依存したままの状態では、仮に担当者が退職してしまった場合に取り返しがつかず、業務の引き継ぎに多大な手間がかかるため注意が必要です。
一方、案件管理システムを導入しておけば、統一されたフォーマットに則って各データが入力されます。案件名や顧客名、金額、進捗状況、行動履歴、アクション予定など、基本的な入力項目が決められているので、他のメンバーやマネージャーなどが確認した際にも、すぐに内容を把握できるでしょう。
また、システム上にデータを集約できているため、担当者が退職してしまった場合にも、データをもとに引き継ぎを行えます。後任者は、これまでの状況をすべて把握できるので、担当者変更による顧客離れのリスク低減も可能です。
案件管理システム導入のデメリットは初期コスト
案件管理システムには多くのメリットがある一方で、導入時にはいくつかのデメリットや課題も存在します。
適切な対策を講じるためにも、次の3つの初期コストについて把握しておきましょう。
それぞれ順に解説します。
初期設定・データ移行・権限設定に工数が必要
案件管理システムを導入する際にもっとも注意したいのが、初期設定やデータ移行、権限設定に多くの工数がかかるという点です。
案件管理システムを自社の業務フローに合わせて最適化し、Excelなどで管理してきた既存の情報を正確に移行するには、想像以上の手間と時間がかかる場合があります。
まず、データを移管する前にシステム側で初期設定が必要となりますが、具体的には次のような作業が必要です。
- 案件のステータス定義
- 入力項目のカスタマイズ
- 通知設定
- レポートフォーマットの作成
これらの初期設定を適切に行っていない場合、せっかく案件管理システムを導入してもなかなか業務が効率化されず、導入費用が無駄になる恐れも少なくありません。時間はかかってしまうかもしれませんが、一つずつ進めることが重要です。
また、過去の案件データをExcelから移行させる場合、データの整理から始めなければならないケースが多く見られます。担当者ごとに入力ルールにばらつきがあった場合、フォーマットを統一するだけでも手間がかかり、重複データの削除も負担となるでしょう。
権限設定も、案件管理システムを適切に運用するために欠かせません。営業担当者・営業アシスタント・マネージャー・経営層など、立場別にアクセス・編集できる範囲をわけなければ、情報漏えいやデータの不正利用など、予期せぬトラブルに発展しかねないためです。
初期設定やデータ移行、権限設定などの初期コストを効率化したい場合、ベンダーに導入支援を依頼できるシステムをおすすめします。
チーム全員が使い慣れるまでに一定の学習期間が必要
案件管理システムを導入後、営業チームのメンバー全員が使いこなせるようになるには、一定の学習期間が求められます。操作に慣れるまでは、「Excelを使った管理の方がやりやすかった」と不満が寄せられることも多いです。
とくに、長年にわたってExcelによるデータ管理が主流だった人にとって、新たなシステムの導入はハードルが高く、慣れるまでに多くの時間がかかるケースもめずらしくありません。また、新しいシステムに対して、心理的な抵抗感があるメンバーもいるでしょう。
とくに注意が必要となるのは、チームの間でITリテラシーやスキルに大きな差がある場合です。チームメンバーのITスキルにあまり差がない場合、ともに操作する中で徐々に慣れることができますが、スキルに差がある場合は足並みが揃いません。あるメンバーは案件管理システムを使いこなし、業務効率が上がっている一方で、あるメンバーは使いこなせず、かえって生産性が下がってしまうと予想されます。
どのくらいでシステムに慣れるのかは、システムの機能や操作性、ユーザーのITスキルやリテラシーによって大きく左右されるので、場合によっては慣れるまでに数ヶ月以上かかってしまうケースもあるでしょう。
案件管理システムを定着させるためには、急にすべてを刷新するのではなく、段階的にアプローチすることをおすすめします。
また、ベンダーが提供するトレーニング資料や動画マニュアル、オンラインサポート、ユーザーコミュニティなども活用することで、学習期間をより短縮することも可能です。
現場業務に合わせた運用ルールを整備しないと定着しにくい
案件管理システムは、導入すればすぐに効果を得られるわけではありません。自社の現場業務に合わせた運用ルールを整備しなければ、定着せずに宝の持ち腐れになる恐れもあります。「案件システムを導入したのに定着しない」「業務が効率化されない」と失敗するのを防ぐためにも、自社の営業プロセスや業務フローに合わせてルールを構築し、チーム全体で守りましょう。
具体的にどのような運用ルールにしたらいいのかわからずお悩みの場合は、次の項目について整理することをおすすめします。
- 定義と用語:案件・商談・受注確度・ステータスなどの用語定義と判定基準
- 必須入力項目:案件名、顧客情報、担当者、金額、受注見込度、受注予定日、アクション予定など
- 入力規則:記載フォーマット、記入禁止事項、ヒアリングメモの書式など
- 更新タイミング:面談やコール後の更新締切や、ステータス変更の条件、週ごとの見直しタイミングなど
- 権限設定:データ登録・更新・承認の権限設定
- コミュニケーション:システム内におけるメンションの使い方、緊急連絡の区分け
- 証跡:見積・提案・議事録の保存場所、ファイル命名規則、バージョン管理
- 情報の廃棄:案件のクローズ条件やクローズ後の編集可否、アーカイブの有無や保存期間
- セキュリティ:閲覧権限や私物PC利用の可否
上記の項目をもとにルールを整備しておくことで、どのようにシステムを活用するべきか明確になり、チーム内での定着が早まると期待できるでしょう。
また、運用ルールを整備する際に注意したいのが、管理者側だけで決めてはならないというポイントです。実際に現場で営業活動をしている人ではなく、管理側の人だけでルールを整備してしまうと、現場の実態にそぐわないルールが出来上がります。現場の意見を反映したルールでなければ、使い物にならずシステムが定着しないため、必ず営業担当者が中心となって整備を進めましょう。
さらに、運用ルールを決めた後も、定期的な見直しが欠かせません。実際に運用してみてから問題に気づく場合もあるので、定期的にフィードバックの時間を設けて、運用ルールの整備を続けましょう。
案件管理システム導入をおすすめする企業はこちら
案件管理システムを導入することによって、企業は多くのメリットを享受できます。どの企業にとってもその効果は見られると考えられますが、なかでも導入効果が大きいと考えられるのは、次の3点に当てはまる企業です。
この3つのうちいずれかに該当する場合、投資対効果も高いと考えられるでしょう。
案件や商談をExcelやスプレッドシートで管理している企業
案件情報や商談情報をExcelやスプレッドシートで管理している場合、案件管理システムを導入することで大きな効果が得られると期待できます。
案件情報の管理は、Excelでもできないわけではありません。しかし、案件数が増えれば増えるほど管理しきれなくなるだけでなく、リアルタイムに管理することも不可能です。各担当者がファイルを更新する運用方法では、バージョン管理も難しく、今のファイルが最新版なのかもわからなくなってしまいます。
また、Excelでは複数人で同時に編集するのも難しく、予期せぬ上書きでデータが失われるケースも少なくありません。
その他にも、Excelではデータが検索できずに困ることも多く見られます。フィルター機能を使うことである程度情報を絞ることはできますが、複雑な絞り込みはできません。また、複数のファイルにまたがったデータ検索も不可能です。
データ分析にも限界があり、自動化できずに手作業で集計しなければならないため、多くの手間がかかってしまいます。
上記のような課題を抱えている企業にとって、案件管理システムの導入はこれ以上ない解決策です。移行する手間はかかってしまうものの、長期的に見れば業務効率化を大幅に改善できるでしょう。
営業活動や顧客対応を複数メンバーで共有したい企業
営業活動をチームで行なっており、案件情報の管理や顧客対応を複数メンバーで行なっている場合、案件管理システムの導入は非常に効果的と言えます。チーム全体のパフォーマンスを向上させるためには、情報共有と連携が欠かせないからです。
例えば、案件の規模によっては、関わる人々は営業部門だけではありません。営業担当者をはじめ、カスタマーサクセス部門、マーケティング部門、技術部門、管理部門など、さまざまな部門のメンバーと連携するケースも見られます。
このような大型案件の場合、進捗状況についてもれなく共有する必要があり、案件管理システムが欠かせません。案件管理システムを使えば、顧客と接触した人やタイミング、提案内容、次にとるアクションなどの情報を、案件に関与する全員が把握でき、スムーズに連携を取ることができるでしょう。
また、担当者以外も最新の情報をフォローしていることで、万が一担当者が不在だった場合も、他のメンバーが対応できるのも安心できるポイントです。
さらに、案件管理システムを活用すれば、マネージャーによるサポートもよりスムーズになります。案件管理システムの機能の一つであるダッシュボードを確認すれば、各メンバーの案件状況や進捗を一目で把握できるため、適切なタイミングでアドバイスやサポートを提供できるためです。
営業活動の透明性を高め、チーム間のコラボレーションも強化したい企業にとって、案件管理システムは重要なツールと言えるでしょう。
案件の進捗・収益をリアルタイムで見える化したい中小企業
中小企業の場合、中堅・大企業より経営資源が限られています。そのため、経営判断の精度を高めるためにも、案件管理システムを導入し、案件の進捗・収益をリアルタイムで可視化することが重要です。
案件管理システムを導入すれば、営業チーム全体のパフォーマンスを一目で把握でき、営業担当者から逐一報告を受ける必要がありません。案件ごとの進捗状況や、今月の受注見込み額などもリアルタイムに追えるので、資金調達や支払い計画についての判断にも有効です。キャッシュフローが課題となりやすい中小企業にとって、システムによる高精度な売上予測は、経営の安定化に欠かせないでしょう。
また、案件ごとの状況を可視化できることで、注力すべき案件と見切るべき案件を即座に判断しやすく、営業リソースの最適化にも役立ちます。
「限られた営業リソースを効果的に活用したい」とお悩みの場合や、「データを可視化することによって、スピーディな意思決定を叶えたい」という中小企業にとって、案件管理システムは大いに効果的でしょう。
案件管理システムに関するよくある質問に回答
ここからは、案件管理システムに関するよくある質問に回答します。
無料で使える案件管理システムでも十分機能しますか?
無料で使える案件管理システムでも、基本的な案件管理機能は十分機能するでしょう。しかし、企業規模やニーズによって、無料プランで満足できない可能性も少なくありません。
無料プランの場合、案件の登録・編集・削除や、進捗状況の管理、簡易的なダッシュボード機能などを利用できるケースが多く、機能がシンプルなのが特徴です。管理できる案件数やデータ保存容量などが制限されている場合もあり、数名程度の小規模なチームであれば十分かもしれませんが、人数が10名以上、あるいは扱っている案件数が多いチームでは、物足りないと感じられる恐れがあります。
有料プランが必要か、無料プランで足りるかお悩みの場合には、まずは無料プランから利用し、より高度な機能が必要かどうかを確認してみましょう。
案件管理システムはスマホやアプリでも操作できますか?
多くの案件管理システムは、クラウド型(SaaS)として提供されており、スマートフォンのブラウザ、あるいはスマホアプリからでも操作できます。スマホ・タブレット専用のモバイルアプリをリリースしているサービスもあるなど、モバイルデバイスからの操作は当たり前になりつつあります。
しかし、案件管理システムによっては、PC版で利用できる機能と、モバイル版で利用できる機能が異なり、高度な機能はPC版からしか操作できないケースも少なくありません。スマホからの操作も多くなる見込みの場合、モバイル版では何ができるのかを前もって確認しておきましょう。
また、PC版は使いやすいにも関わらず、モバイル版は使いづらいというケースにも注意が必要です。無料トライアルを利用する際には、スマートフォンからの操作性に関してもチェックし、外出先や移動中でも使えそうか判断しましょう。
案件管理システムをExcelから乗り換えるタイミングは?
Excelから案件管理システムに乗り換えるべきタイミングは、企業の状況によって異なりますが、主なパターンは次の5つです。
- Excel管理での情報共有に限界を感じた
- 営業チームの人数が増えた
- 案件数が増えた
- 担当者の異動や退職時に引き継ぎが困難だと感じた
- テレワーク中や外出先からも操作する必要性が高まった
上記の中でもとくに重要なサインは、Excelでの情報共有に限界を感じたタイミングです。バージョン管理ができていない、情報共有が滞っている、などと現場に混乱をきたしている場合、パフォーマンスの低下につながってしまうため、案件管理システムへの移行を早急に検討しましょう。
しかし、繁忙期や大型案件の商談中の場合、システムの移行はおすすめできません。データ移行や初期設定などに気を取られ、重要な営業活動に集中できないと、売上に悪影響を及ぼす恐れがあるためです。
比較的余裕のある時期から製品を比較検討し、導入を計画的に進めることで、現場の混乱を回避しましょう。
