経費精算システムとRPAの活用でバックオフィス業務を効率化
概要
RPAと言えば繰り返し行う煩雑な業務を自動化する仕組みとして多くの企業で採用されていますが、もちろん経費精算システムに活用することができます。
経費清算業務の多くは決められたフォーマットへデータを入力して処理するため、RPAで自動化するのに向いている分野です。
今回は、RPAを活用して会計システムの作業を自動化する方法について紹介していきます。
経費精算・会計システムでの作業をRPAで自動化した事例
まずは、代表的な会計ソフトでのRPAによる自動化事例をいくつか紹介します。
同様の会計ソフトを利用している場合、事例と同じような自動化が可能です。
楽楽精算
引用:楽楽精算
楽楽精算には、メールで届いた請求書をアップロードしてデータ化する機能があります。指定のアドレスへ請求書のデータを送信するだけで完了するため非常に便利なのですが、請求書の数が増えてくるとメールを何度も送信するのが負担になってきます。
そこでRPAでメールに届いた請求書を指定のアドレスへ送信する作業を自動化することで、より利便性を高めて手間がかからないように実装するといった事例があります。
作業そのものは非常に簡単なので実装も難しくありません。
マネーフォワード クラウド経費
マネーフォワード クラウド経費は非常に便利な精算システムで、経費の計算においては圧倒的なサポートを受けることができます。
しかし、マネーフォワードで集約したデータをマネーフォワード以外へ連携するためにはCSVファイルを扱う必要があります。基幹システムへインポートする作業は一度CSVファイルとしてエクスポートして、そのファイルを必要なところに持っていく必要があるのです。
どちらの作業も行う作業は単純ですが、何度も繰り返し行うのは非常に手間がかかるので、RPAで自動化することで効率化できるでしょう。
ジョブカン経費精算
引用:ジョブカン経費精算
ジョブカン経費精算には経費の承認を求めても未承認のまま放置された場合、それを承認者へアラートで知らせる機能が実装されています。
しかし、そもそも承認者の決定は管理者が決定しているものであるため、承認者が何らかの理由で操作できない場合は管理者へ問い合わせが必要な場合もあります。
管理者へアラートを飛ばす機能はないので、未承認のまま放置されている場合はRPAを活用して自動的に管理者にも知らせるという仕組みを実装することができます。
freee
引用:freee
freeeでは銀行のAPI連携がない銀行もあります。連携できていれば銀行の取引をそのまま自動で読み込ませることができますが、その場合はインターネットバンキング経由でCSVをエクスポートしてfreeeにインポートするという作業が必要になります。
このような、データのダウンロード、加工、アップロード作業も、RPAで自動化することができます。決まったタイミングで自動的に銀行の取引をfreeeに反映させることもできるので、業務を大幅に効率化することができます。
NI Collabo 360
NI Collabo 360では出張申請書をはじめとしたさまざまな申請書を簡単に扱うことができます。
申請から承認、精算までこれ1つで可能なので便利なのですが、申請された書類と経費精算の金額が合っているかをチェックする作業を行う必要があります。
チェックする内容自体はシンプルなので、この部分をRPAで補う事で効率化できるだけでなく作業中のミスも減らすことができます。金額を扱う部分ではどうしてもミスが発生しがちなので、できる限り自動化した方が良いでしょう。
経理業務でRPAを利用するメリット
経理業務でRPAを利用するメリットは、以下のものがあります。
- 手作業の工程を減らすことができる
- 人的ミスや不正を減らすことができる
- 定型業務や作業量の多い業務と相性がいい
経理業務にはRPAを利用して作業を自動化できる部分がたくさん存在しています。多くの会社において経理業務は作業量が多く、金銭を扱うことも多いため自動化して人的ミスを減らすメリットは大きいです。
例えば入金チェックや請求書作成、会計データ処理などさまざまな場面でRPAが活躍します。
経理の業務は一般的に定型業務が多く、そして作業量が多いという特徴がありますが、それ自体が自動化と非常に相性が良いのです。
活用できる具体的な場面をもっと具体的に知りたい方は、経理部門でのRPAの活用事例|自動化できる経理業務もご紹介の記事をご覧ください。
経費精算において自動化する業務の選定方法
経費精算システムにおいてRPAで自動化することは非常に有用ですが、もちろん全てを自動化することはできません。複雑な作業は自動化するための準備も複雑になりコストが膨らんでしまうためです。
基本的にRPAは単純な繰り返し作業を自動化することをメインとした仕組みであることを念頭におきましょう。そのうえでRPAで自動化する業務をしっかりと選定する必要があります。
1.経理部門で負担となっている作業を探す
RPAで自動化できるからと言って、そもそも作業回数が多くないものを自動化しても費用対効果は薄いです。日常的に頻繁に行っている業務や、まとまった数作業しなければいけない業務など、経理部門内で負担の大きい作業を洗い出して、そこを自動化することができれば一気に効率化することができます。
どんな業務の負担が大きいかは会社にもよりますが、経費精算や請求書作成などは負担が大きいことが多いので、そういった部分の着手を優先するのが良いでしょう。
2.RPA化に向いているかを検討する
まず前提としてRPAで自動化するのに向いている業務がどれかを考えていきます。例えば、入力するフォーマットが決まっていて、そこに金額データなどを打ち込んでいくような作業であれば自動化がしやすいでしょう。
一方で経費として申請された内容が承認しても良いものか判断するような部分は自動化するのに向きません。人が判断するべき仕事はRPAで自動化できないと思っておけば間違いないでしょう。
このようにRPAで業務を置き換えることができるかどうかで業務を選別していくと選定しやすくなります。
3.難易度の低い作業から自動化を始める
業務を自動化して効率を良くすることがRPA導入の大きな目的ですが、いきなり大規模に自動化するのは現場への負担が大きくてなかなか進まない可能性もあります。はじめは小さくはじめて、難易度が低く、早い段階でRPAの価値を体感できる容易なもので様子を見るのが良いでしょう。
実際に自動化してみて問題がなければ徐々に他の部分にも広げていくことで、トラブルを避けつつ業務の効率化が可能になります。
最終的には他の部門や会社全体に浸透させることができれば大成功です。
経費精算システムでの作業をRPA化するコツ
ここからはRPAで業務の自動化をするコツを紹介していきますので、是非参考にして導入を進めてみてください。
ベンダーのサポートも活用する
RPAの導入や運用にはベンダーのサポートを受けられるケースが多いです。
例えば導入時に業務のどの部分を自動化できるかをアドバイスしてもらえたり、RPAのシナリオ作成をサポートしてもらえたりと、ベンダーによって対応範囲はまちまちですが使えるものは使っていきましょう。
ベンダー側は多くのノウハウを持っていますので、うまく活用するのがRPA業務改善への近道となります。そのため、RPAを選定する際にはサポートがどの程度受けられるかをよく調べておきましょう。
スモールスタートさせる
スモールスタートするのはとても重要な要素です。特に経費精算システムはお金を扱う部分ですから、大規模に自動化してトラブルが起きた場合にリカバリーがとても大変です。
逆にトラブルさえ起きなければ数字のミスなどは発生しないため利便性はとても高いです。
はじめに小規模で問題なく運用できることを確認してから、徐々に規模を広げていくのが良いでしょう。
例えば経費精算の中でも社員の交通費に関する部分だけ自動化するといった形なら、トラブルが発生しても取り返しがつきます。
担当者にRPAの教育をする
RPAを導入するにあたって、担当者を選定しておくことは大切です。担当者を決めたらしっかりとRPAの教育を行います。ベンダーによっては教育についてのサポートも受けられる場合があるので、そういったサービスをうまく活用してください。
また担当者をただ教育するだけでなく、実績に応じて評価することでより教育がスムーズに行えるようになります。この他、担当者を教育するのであれば、通常業務の負担を減らして学習する余裕を作ってあげることも大切です。
効果測定を行い、社内で共有する
RPAを導入して経費精算システムの自動化に成功した場合、その自動化によってどの程度の効果があったのかを客観的に測定することが大切です。具体的な目安があることで評価もしやすくなりますし、自動化にどの程度力を入れるべきかの指標にもなります。
また導入した事例は社内で共有することで、他部署でも同様の自動化を行うような好循環を産み出すことができます。結果が芳しくなかった場合でも情報共有をすることで、改善案などが出てくる可能性もあります。
RPA導入ならアシロボにお任せください
経費精算システムには色々な機能がオプションでついています。オプションを付けたいけど費用対効果が見合わない、ここまでの機能は不要の場合、RPAツールを活用しオプション機能を補完する方法もあります。
RPAツールにもさまざまな種類がありますが、経費精算などの自動化もアシロボにお任せください。技術的なことがわかる人材が少ない中小企業にとっては、導入コストも安く、直感的に使いやすいと評価いただいています。
扱うために必要な知識も数時間の教育で身につけることができるので、少人数の会社でも教育する時間を十分に確保できます。サポート面に関しても導入前・導入後どちらも充実しています。
まとめ
経費精算システムなどのバックオフィス業務をRPAで効率化する際の事例やポイントについて解説してきました。
経理の事務作業の多くは繰り返し定型的な作業を行うものなので、自動化の恩恵を受けやすいです。業務内容にもよりますが、経費精算などにかかっていた時間はRPA導入で1/10になるケースもあるため、取り掛からない手はありません。
人手不足の現状では業務をより効率的に行う体制を作る必要があります。まだRPAの導入をしていない事業者様は、是非一度検討してみてください。