RPA導入にプログラミングの知識は必要?未経験での活用方法を徹底解説

概要

近年ではRPAの導入が活発化しており、自社にも取り入れたいと考える企業が増えてきています。
しかし、「プログラミング知識がどこまで必要なのか」「自社にはプログラミングに関する有識者がいない」といった疑問や不安を抱える方は少なくありません。
そこでこの記事では、RPAを導入する際にプログラミング知識が必要かどうかをはじめ、RPAを活用するときにおすすめなプログラミング言語などについて解説します。

RPAとは?

RPAは、「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の頭文字を取った略称で、ソフトウェアロボットによる業務の自動化を指す技術です。

主にマウスやキーボードを使用したデスクワークにおける定型的なパソコン作業の自動化に特化しています。

これまで人が行ってきた定型的なパソコン操作を人に代わって実行し、効率的に活用することで人員が増えたように感じることから「仮想知的労働者(デジタルレイバー)」とも呼ばれています。

RPAを導入することで人為的なミスの防止のほか、労働時間や人件費の削減などにつながるため、近年では非常に注目を集めている技術です。

RPA導入にプログラミングの知識は必要?

RPAを導入することで業務の自動化を図ることができますが、プログラミング知識が必要なのではないかと心配する方はいるのではないでしょうか。

ここでは、プログラミング知識が本当に必要かどうかについて解説します。

有用であるが必須ではない

結論からいうと、プログラミングに関する知識やスキルを保有していれば、シナリオ作成がしやすいですが、必須ではありません。

RPAツールは、ドラッグアンドドロップなどの直感的な操作で手順を指定し、パソコン上の作業を自動化できるものもあるため、専門的な知識やスキルがなくても活用することが可能です。

ただ、プログラミング知識やスキルを保有していれば複雑なシナリオ作成をしたときに柔軟に対応することができ、より自社にマッチした自動化を実現できます。

専門的な知識やスキルは必ずしも必要というわけではありませんが、保有していればより有効にRPAを活用できるということを覚えておきましょう。

プログラミング未経験者のメリット

プログラミング未経験者の代表的なメリットとして、発展的に知識やスキルを身につけられるという点が挙げられます。

最初は知識やスキルがなかった方でもRPAの自動化を通じて徐々に成長していき、最終的にはRPAを効率的に活用するうえで必要な知識やスキルを身につけられる傾向にあります。

RPAに触れる時間が多ければ多いほどスキルが蓄積され、RPAを運用するために特化した人材に育つでしょう。

プログラミング経験者のメリット

一方、プログラミング経験者の代表的なメリットとしては、未経験者と比べて仕組みやシナリオ作成の理解がしやすく、習熟や上達スピードが早いということが挙げられます。

未経験ではないため、専門用語や専門知識に詳しい場合があり、比較的早く仕組みなどを理解できる傾向にあります。

また、RPAを使いこなせるようになるまでにそれほど時間はかからず、比較的早くRPAを活用できるようになるでしょう。

プログラミング言語の知識がRPA活用に役立つ場面

プログラミング言語の知識がRPAを活用するために役立つ場面にはどのようなものが挙げられるのでしょうか。

役立つ場面として、主に以下の4つが挙げられます。

  • RPA化業務選定フェーズ
  • RPAシナリオ作成フェーズ
  • 施行フェーズ
  • 運用・メンテナンスフェーズ

それぞれ具体的に解説します。

RPA化業務選定フェーズ

RPA化する業務の選定を行うフェーズにおいて、プログラミング言語の知識や経験があれば、シンプルかつ柔軟な設計の実現がしやすいです。

基本的には、RPAの自動化したい業務に対して手順や順番を決め、一定の手順を繰り返すといった作業内容を設計する必要があります。

自動化する業務や工程を見極める際に、プログラミング知識があると、「これは分岐が複雑だからシナリオ作成に時間がかかる」「この工程なら自動化できそう」「テンプレートがバラバラのため、シナリオ作成の前に、まずは統一が必要」という目星がつけやすいです。

RPAシナリオ作成フェーズ

RPAのシナリオ作成する際、プログラミング言語の知識やスキルを持っていればロボットの連携先を拡張することができ、より高度な活用を実現することが可能です。

RPAを活用した自動化を図る際、複数のシステムやファイル間でデータや情報をまとめ、ほかのアプリケーションに転記するというような活用方法がよくあります。

こうした活用方法を実現するためには、プログラミングに関する知識やスキルが必要になる場合もあり、場合によっては知識やスキルがなければ実現することが難しいかもしれません。ただ、別の方法で回避することもできるため、回避方法を考える柔軟さを持ち合わせているとよいです。

RPAによる業務効率化の可能性を大きく広げるためには、専門的な知識やスキルは持っているほうが良いといえるでしょう。

施行フェーズ

実際に自動化を始めた段階では、テストでのエラーや動作トラブルが起こることが多いです。そのような時に、プログラミング知識があれば修正の仕方や再構成が容易になります。

また、RPAの運用が上手くいっている時も、プログラミング知識がある方がいれば「この業務も自動化できそう」「この業務フローを変えれば自動化できる」など、RPAでの自動化範囲を広げやすくなるでしょう。

運用・メンテナンスフェーズ

RPAは導入したらそれで終わりというわけではありません。

導入し自動化を図ったあとも運用や定期的なメンテナンスを行うことが必要不可欠です。

例えば社内システムが変更になったり、パソコンのOSアップロードなどがあったりした際に、変更に併せてメンテナンスを行う必要があります。また、上手く動いていない箇所のログを確認し、エラーとなる原因を潰していく作業が必要です。

そういった場合において、プログラミングの知識やスキル、経験などがあれば、トラブルにも迅速に対応することができるでしょう。

RPAを運用するうえで、そういった知識などをはじめ、ITに関連する知見を保有していれば、さまざまな場面で活用することができるでしょう。

RPA導入の際に活用できるプログラミング言語

RPAを導入する際に活用できるプログラミング言語にはどのような種類が挙げられるのか気になるという方は多いのではないでしょうか。

RPA活用におすすめなプログラミング言語は以下の5種類です。

  • HTML/CSS
  • VBA
  • PowerShell,VBScript
  • Python,JavaScript
  • GAS

下記にて、具体的に解説します。

HTML/CSS(Webブラウザ上の操作)

HTML/CSSは、双方ともにWebサイトやWebページに関わるプログラミング言語です。

具体的には、HTMLはWebサイトやWebページにある見出しや段落などがどのような役割があるかを示す言語であり、CSSは文字の色や太さといった見た目を設定する言語です。

このように、HTML/CSSはWeb上での操作を自動化したいという場合に適しているといえます。

RPAを活用して自動化を図る際、専門的な知識やスキルがあればWeb上のデータや情報を効率的に取得できるだけでなく、エラーや問題が起こりにくい設計をすることもできるでしょう。

VBA(主にExcelの操作)

VBAとは、「Visual Basic for Apprications(ビジュアル・ベーシック・フォー・アプリケーションズ)」の略称であり、Microsoft Officeシリーズの製品に搭載されているプログラミング言語です。

そのため、ExcelやAccessなどを使用して管理している情報やデータをRPAによる自動化をしたいという場合に向いています。

一見、VBAがExcelの操作に必要なものだと思う方はいるかもしれませんが、Excelだけでなく、Webブラウザや外部アプリケーションの操作を行うこともできます。

Microsoft Office製品内だけでなく、複数のアプリケーションが関わる業務を自動化したいという場合は、VBAが活きてくるでしょう。

PowerShell,VBScriptなど(主にWindowsの操作)

PowerShellやVBScriptは、主にWindowsにおける操作の自動化をしたい場合に活用するプログラミング言語です。

具体的には、PowerShellとVBScriptはMicrosoftが開発したスクリプト言語であり、Excelのマクロやフォルダ操作といった作業の自動化や、Microsoftが提供するサービスを操作することができます。

そのスクリプト言語を用いてロボットに組み込み、実行時に呼び出すことで自動化を実現できます。

これらに関する知識やスキルを保有していれば、RPAでの開発を簡素化することができ、効率的かつ負担を抑えながら自動化に取り組むことができるでしょう。

Python,JavaScriptなど(主にWebAPIの操作)

PythonやJavaScriptは、主にWebAPIでの操作を自動化したいときに活用するプログラミング言語です。

具体的には、PythonはYouTubeやInstagramなどのアプリケーションで利用されており、少ないコードで簡素的に記述できます。

一方、JavaScriptはWebサイトの開発などで利用されることが多く、ブラウザを動かせるという特徴があります。

これらの言語に対する知識や経験があれば、RPAを活用した自動化を効率的に図れるだけでなく、多くの場面で活用することが可能です。

GAS(GoogleAppScript)

GAS(Google App Script)はその名の通り、Googleが提供しているプログラミング言語です。

Googleが提供しているGmailやGoogleマップといったサービスと連携できるほか、自作のアプリケーションを開発することもできます。

Googleが提供しているサービスは、現代においてさまざまなビジネスシーンで利用されることが多いため、GASに関する知識を保有していることでより効率的で効果的な自動化を目指すことが可能です。

GASはWeb開発で必要不可欠な「JavaScript」をベースに開発されているため、JavaScriptの知識を保有していれば応用して開発することができます。

プログラミング経験者がいない場合

ここまで、プログラミング経験者が在籍している場合のメリットや特徴などについて解説してきました。

しかし、企業によっては経験者が全くいないということも珍しくなく、その場合はどうしたら良いのかと心配になる方は少なくありません。

そういった際の対策として、以下の3つが挙げられます。

  • 最低限のプログラミング知識を社内研修等で取り入れる
  • 最低限の知識で活用できるツールを選ぶ
  • シナリオ作成の外部委託も一つの手

それぞれ具体的にご紹介します。

最低限のプログラミング知識を社内研修等で取り入れる

上述した通り、RPAツールを活用して業務の自動化を図るためには、専門的な知識やスキルはなくても開発することはできます。

しかし、プログラミング知識を保有していれば、シンプルかつ柔軟な開発が実現できるため、できれば保有しておきたい能力です。

そういったためにも、社内で最低限のプログラミング知識を学べるように取り入れることをおすすめします。

育成コストはかかってしまいますが、支援サービスなどを利用しながら研修を実施することで少しずつスキルアップしていき、RPAを活用しやすい環境が徐々に整っていくでしょう。

アシロボでは、無料でRPAの操作説明が受けられます。プログラミング知識がない方でも、7時間で実践レベルにすることができます。

最低限の知識で活用できるツールを選ぶ

RPAツールにはさまざまな種類があり、プログラミング知識がなくても活用できるものもあります。

そのため、自社に専門的な知識やスキルを保有している人材はいないという場合は、誰でも簡単に使用できるようなRPAツールを選ぶと良いでしょう。

シナリオ作成の外部委託も一つの手

シナリオ作成とは、自動化したい業務の手順やプロセスを示した設計書のようなものであり、RPAを活用するためには必要不可欠です。

しかし、効果的な自動化を実現するためにはシナリオ作成についてしっかりと理解している必要があり、プログラミングに関する知識や経験がない方がいきなりシナリオ作成を行うとなると難しいかもしれません。

そういった場合は、シナリオ作成を外部委託をしてお任せするというのも一つの手です。

外部委託することでより理想的なシナリオ作成が期待でき、自社にマッチした業務の自動化を図ることができるでしょう。

シナリオ作成については下記の記事で具体的に解説しているので、併せてご確認ください。

RPAシナリオ作成のポイント。作り方や注意点を解説

RPA導入の際はアシロボにお任せください

弊社の提供している「アシロボ」は、プログラミング知識が無くても問題なく活用ができるRPAです。

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また、実践レベルまで活用できるようになるためのセミナーも無料で開催しており、導入後の無料サポートが充実しているため、はじめてRPAを導入するという場合でも安心です。

はじめてRPAを導入する方や、「プログラミング知識を持った人材がいない」といった場合は、ぜひアシロボをご検討ください。

まとめ

RPAを活用するためにプログラミング知識やスキルがあれば有用であることや、RPAに活かせるおすすめのプログラミング言語について解説してきました。

RPAを自動化したいと考える現場にはプログラミング経験がない方が多い傾向にあります。

その際、現場外のプログラミング経験者がシナリオ作成を行うとなると、メンテナンスやトラブル対応がその方に集中してしまい、本来ある業務と並行して行わなければなりません。

そうなると業務量が増えて手が回らなくなり、忙しくてメンテナンスが滞ってしまってRPAが使わなくなってしまったということになる可能性があります。

さらには最悪の場合、その状況に耐えられなくなって担当者が辞めてしまうということにもなりかねません。

そのような状況を回避するためにも、現場にいる方もRPAを使用できるようになったほうが良いでしょう。

ぜひこの記事を参考に、自社に合ったRPAの自動化を実現するとともに、社内の育成も進めてプログラミング知識を身につけていきましょう。

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