RPAとは?|導入前に知りたい注目の理由とメリット

概要

最近、生産性向上や業務効率化のために、RPAを検討・導入される企業が増えています。経営者や上司からの指示でRPAの調査をされているものの、いまいちRPAの実態が理解できず、実際の導入までは…と躊躇され悩まれている方も多いかも知れません。
そこで、ここでは、RPAの役割、RPAで何ができるのか、そして導入によるメリット・デメリットを導入検討担当者の方に向けて解説します。

RPAの需要が高まる背景とその役割

RPAとは、Robotic Process Automation:ロボティック・プロセス・オートメーションの略称で、ルールと手順のあるパソコン業務を自動化するロボットです。

ロボットといっても、人型ではありません。あくまで、パソコンの中に住むソフトウェアであり、「いつ」「どこで」「どんな操作を」行うのか、ルールと手順を教えれば、自動化できるツールです。

パソコンの中に住んでいるロボットが、まるで部署内の新人スタッフや派遣会社からのアシスタント担当のように、指示通りに仕事をする様子をイメージしていただけばよいでしょう。

なぜ「いま」RPAが必要とされているのか

デジタル化の波を受け、企業規模を問わずRPA導入の検討企業が増えている背景には、次のような社会的変化があると考えられます。

(1)労働人口の減少

企業は売上や利益を追求し続けなければなりません。しかし、少子高齢化による生産年齢人口(15~64歳)は減少の一途をたどり、既に各業界で採用難が起こっています。加えて、人数は足りているハズなのに、重要業務に取り組む高給な有能人材の手から単純作業が手離れせず、リソースが不足する現象までもが起きています。そこで頼りになるのがRPAの存在です。RPAを労働力とすることで、省人化・省力化が進められれば、自ずと人手不足が解消され、新たなリソースが生まれる日が近くなると注目を浴びているのです。

(2)働き方改革への期待の高まり

2019年4月に施行された「働き方改革関連法」では、時間外労働の上限規制や有給休暇取得の義務化が定められました。とはいえ、やらなければならない業務が、いきなり減る訳でもなく、単に労働時間を減らすだけでは仕事が回らなくなります。そのような際にも重宝されるのがRPAです。これまで人が対応していた業務の一部をRPA化することで、人の労働時間削減を実現してくれます。RPA活用のメリットとデメリットは、こちらの記事で詳しく解説しています。

なお、職場で戦力となる技術に、AI(Artificial Intelligence)も注目を集めていますが、RPAとAIはまったく異る技術です。詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

RPAで自動化できる業務

RPAは、業界、業態、職種には関係なく、「職種」に関係があります。RPAではさまざまな業務や作業を自動化できます。まずは、RPAで自動化できる業務には、次のようなものがあります。

(1)手順とルールが存在する業務

手順とルールが存在する業務はRPAの最も得意とする分野です。同じ作業を長時間繰り返す単調な作業であっても、休むことなく正確に実行できます。

(2)パソコン上で完結する業務

RPAは、パソコン上で稼働するツールです。そのため「手順&ルール(+パソコン業務)」はRPA化が可能です。

具体的なシーンで切り取ると、

  • 会計システムから定期的に請求書を作成
  • メールフォームに届いた情報をExcel上にリスト化
  • 複数のWebサイト情報を定期的にひとつのExcelファイルに転記
  • Webサイトにアクセスし、IDとパスワードを自動入力
  • ネットバンキングで入金を確認した後、担当者に定型文で連絡メールを送信
  • 交通費の最安料金を検索して、Excelファイルに記載

こういった作業単位の自動化を連結させ、人が関わる部分を少しずつ減らす事で、生産性向上を叶えます。RPAが得意な業務について、詳しくはこちらの記事も参考になさってください。

RPAでの自動化には適さない業務

一方で、RPAでは自動化できない業務もあります。

(1)ルールや手順がない業務

RPAは人が書いた通りのシナリオ(業務の動作手順)のままに動き、作業を実行するツールです。ルールや手順のない「考えるやアイデアを出す」といった人間的思考が伴う業務は、RPAによる自動化ができません。

(2)人による分析業務

RPAは、上記のとおりルールと手順のある業務や作業は得意です。ただ、自ら考える事ができない、言われた通りに動くことのみに限られます。例えば、分析用として取得したデータをグラフ化や表にまとめ、その結果を閾値に従って、答えとして吐き出すまでは可能ですが、自ら結果に基づき、新たな閾値を定義するといった所が出来ません。あくまでルールと手順が決まっている範囲が役割です。

(3)パソコン上で完結しない業務

RPAはパソコン上の作業のみを自動化するツールなので、パソコン上で作成したリストについて印刷指示を出すところまでは設定できても、印刷した書類を物理的に仕分けしたり、封入する作業は当然に領域外です。

近年では、ようやくRPAの特性を活かし、全自動化ではなく業務の途中に人間判断を挟むRPAロボットと人間の協働作業として、「半自動化」を目指すことで生産性を高めるケースが増えています。

RPAの導入を検討される際は、上記や当社の「図解付き50の事例集」(※リンク貼る)を参考に、どの業務で、どういった効率化ができるのか想像すれば、御社の未来型の労働環境が見えてくるのではないでしょうか。

業種別でRPA業務を考える?

本記事ではRPAが求められる背景や、RPAにできることについて紹介してきました。どのような業界や職種であっても、RPAの代替領域が100%存在している事は、アシロボ導入企業のご利用結果からも間違いありません。

その昔、力持ちは重要な人材でした。数十年前であれば、そろばんが得意な方も重要な人材でした。しかし、時代は進化し、今やパソコン操作が得意な方を超え、ついに、ロボットに任せられる時代が来ています。長年、人がやるべき大切な業務と位置づけられていたオフィスのバックヤード業務の一部をRPAに任せることで、人は人らしく生産性の高い業務だけに取り組む時代です。まずは「ご自身が大変に感じている単純作業は何か」を考えることから始めてみてはいかがでしょうか。

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