経理業務の中で頭を悩ませる業務の一つに債権管理の業務がありますよね。
取引先が増加したり、業務フローが複雑化すると従来のExcelや帳簿での管理方法では追いつかないので困っているという経理担当者の方も多いかと思います。
債権管理がしっかりできないと資金の回収遅延や未回収リスクが高まり、企業の資金繰りに深刻な影響を及ぼす可能性があります。
本記事では、これらの課題を解決するために導入を検討したい債権管理システムについて詳しく解説し、システムの定義や具体的な機能、導入のメリット・デメリット、そして導入をおすすめする企業の特徴まで、幅広くカバーした解説をしていきます。
この記事を読むことで、債権管理システムについての理解が深まるだけでなく、自社に最適なシステムを選び社内導入を前提としたデモを実施していただくシステム会社を決め、プロジェクト等を前に進められます。
以前からなかなか会計ソフトの中で対応されていないことから手間がかかっていた債権管理業務を効率的にし、健全な財務管理と安定した経営基盤の実現に向けて、大きな一歩を踏み出しましょう。
債権管理システム比較16選!おすすめサービスを徹底解説
社内でのシステム導入において、債権管理の業務自体が経理業務の中でも一部の業務であることや、経理の一部の担当者しか対応しない業務であること、以前から多くの会社がアナログな対応をしてきた業務であることから、なかなかシステム導入の検討が進まず後回しになりがちな業務でもありますね。
債権管理システムについて、おすすめの16社のシステムについて比較しましたので、自社に合うシステムの選定に活用していただければと思います。
おすすめの債権管理システムをそれぞれ順に解説します。
V-ONEクラウド
タイプ | 入金消込業務特化型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 33,000円(税抜)〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 一括入金消込機能、消込シミュレーション機能、入金データ自動連携、債権管理帳票機能 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル |
連携可能なサービス | 販売管理システム連携、入金データ連携、銀行API連携、会計ソフト連携 |
V-ONEクラウドは、株式会社アール・アンド・エー・シー社が提供しているAIを活用した債権管理業務に特化した債権管理システムです。
特に入金消込作業の自動化に強みがあり、機械学習ができるため入金消込の機能を使用すればするほど自動消込の精度が向上していきます。
入金消込を自動化していくためには、一般的には同一名義からの入金を消し込めるようにしていくことになりますが、V-ONEクラウドでは異なる名義からの振込でも同一名義と同様に扱えるため自動消込が可能です。
また、まとめ入金にも対応できるため相手先の企業から2ヶ月分の請求に対して一度に振込があったり、複数の請求書分が一度にまとめて振込されたり、振込手数料が引かれるなど、複雑な入金パターンを持つ企業にも対応しています。
月額33,000円からと比較的手頃な価格で利用可能で、V-ONEクラウド単体で購入して利用ができます。
導入のポイントとしては、大量の入金データを処理する必要がある企業や、入金パターンが複雑で手作業での消込に時間がかかっている企業に特に有効です。AIによる自動化機能が強いため、人的ミスを減らしたり業務効率化ができたりと大きな効果が期待できます。
また、クラウドシステムのためリモートワークにも対応しやすく、システムの保守や更新の手間も軽減されます。
ただし、AIの学習には一定期間が必要なため、導入した直後から最大の効果を得ることはできず、過去データを使った学習や、日々学習をさせるために教え込んでいく必要があります。
債権奉行クラウド
タイプ | 請求書発行・入金消込一体型 入金消込自動型 |
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初期費用 | 50,000円(税抜)~ |
月額利用料 | 6,500円(税抜)~22,000円(税抜) |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 請求書発行(電子発行は別)、回収サイト管理、回収予定管理、与信管理、入金消込、前受・借受金管理、決済管理(手形・電債など)、債権帳票作成、督促通知、未入金通知 |
サポート体制 | 専任の担当による電話、メール、チャット、FAQ |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携(勘定奉行クラウド)、グループウェア連携 |
債権奉行クラウドは、株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)が提供している入金消込、債権管理に特化したシステムです。
OBCが提供する奉行シリーズ、特に商蔵奉行シリーズである販売管理システムや、勘定奉行シリーズである会計ソフトとの連携がスムーズです。
債権管理全般に対応できる点が強みで、金融機関連携による銀行データを使った債権管理だけでなく受取手形やでんさいなど、中堅中小企業で実際に活用されているさまざまな決済方法の一元管理も可能です。消込に関しては、振込手数料分の差額や少額の入金ズレについての処理を設定することで、金額がズレていても消込対象として候補に挙げてくれます。
初期費用50,000円〜、月額6,500円〜と比較的手頃な価格で利用可能で、債権奉行クラウド単体で購入して利用ができます。
導入のポイントとしては、すでに奉行シリーズを使用している企業や、債権管理から請求書発行まで一貫したシステムを使いたい会社では有効性が高いのですが、複数の部門や拠点で債権管理を行う必要がある企業でも集中管理や情報共有ができるようになりますので中堅企業や大企業などでも効果は高いです。
また、クラウド型のため、システムの保守や更新の負担が軽減され、常に最新の機能を利用できる点も魅力です。
請求管理ロボ
タイプ | 請求書発行・管理特化型 入金消込自動型 |
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初期費用 | 0円〜 |
月額利用料 | 50,000円〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 請求書自動発行、入金消込、督促、請求書発行状況・入金状況のリアルタイム把握、 |
サポート体制 | メール、FAQ、マニュアル |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
請求管理ロボは、株式会社ROBOT PAYMENTが提供している請求書発行から入金管理までを自動化する総合的なシステムです。
名前にもありますが、ロボを使って特に請求から入金までの一連のプロセスを自動化したい企業に最適で、このしくみを決済会社が開発している点が特徴です。
債権管理システムだけでなく、請求書の自動発行・送付、自動集金、自動消込、自動催促機能を備えていて、銀行振込、口座振替、カード決済、コンビニ決済など多様な決済手段に対応しています。定期的な請求業務に多くの時間を費やしている企業や、多様な決済手段を提供している企業にとっては効果的です。
料金は請求発行機能もあるため、初期費用は0円からで、月額50,000円からとなりますが、債権管理だけでなく請求発行から消込、催促まで1つのシステムで利用が可能です。全体の自動化を進めていくには、多くの場合カスタマイズが必要なるためカスタマイズ費用について確認しておきましょう。
導入のポイントとしては、自動化により人的ミスの削減や業務効率による大幅な効果を期待したい場合には効果的です。導入に際しては、既存の業務フローとの整合性を確認し、必要に応じて会社の業務をシステムに合わせるか、カスタマイズを検討する必要があります。
また、クラウド型のため、システムの保守や更新の負担が軽減され、常に最新の機能を利用できる点も魅力です。
freee請求書
タイプ | 請求書発行・入金消込一体型 入金消込自動型 |
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初期費用 | 0円(プランによる) |
月額利用料 | 0円〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 請求書作成、送付、入金確認、freee会計とのデータ連携、リアルタイムな会計処理・経営分析、売上管理 |
サポート体制 | メール、ヘルプページ |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフトfreee会計との連携 |
freee請求書は、フリー株式会社が提供している請求発行から入金消込、仕訳の作成までの機能を揃えたシステムです。
請求発行が中心となるシステムで、基幹システムや販売管理システムから出力したデータを取り込んで請求書の作成が可能で、その請求データに対する入金や消込も可能なシステムで、freee会計を含むフリー社のシステムとの連携がスムーズです。
債権管理システムだけでなく、請求書作成、入金管理、債権管理機能を提供していますが、複雑な請求管理が必要な場合は機能が不足する可能性がありますので、中堅企業以上の企業で利用する場合には注意が必要です。会計ソフトとしてfreee会計を使用していないとデータ連携に制限が発生する可能性があり、freee会計の規模に合う小規模事業者や個人事業主が導入すると効果が高くなります。
無料から利用可能でfreee請求書単体で購入して利用できる点はメリットで、低コストで始められる点が大きな魅力になり、事業規模に応じて段階的に機能を拡張できます。
導入のポイントとしては、請求書発行や入金消込のシステムを未導入の企業で、コストをかけずにシステムを導入したい場合には、まずはfreee請求書の無料プランからスタートして、機能を追加したくなったら課金をしていきたい場合には有効です。
また、クラウド型のため、システムの保守や更新の負担が軽減され、常に最新の機能を利用できる点も魅力です。
マネーフォワード クラウド請求書Plus
タイプ | 請求書発行・入金消込一体型 |
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初期費用 | 0円(プランによる) |
月額利用料 | 2,980円〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 見積・納品・領収・請求書作成、入金消込、請求書の送付 |
サポート体制 | チャット、FAQ、マニュアル |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフトマネーフォワードクラウド会計との連携 |
マネーフォワード クラウド請求書Plusは、株式会社マネーフォワードが提供している請求データの作成から売上計上、請求書発行、入金消込の機能を揃えたシステムです。
請求発行が主体のシステムで、販売管理システムや受注データを請求作成データの基礎データとして取り込んだり、売上データとして取り込んだりできます。請求データを扱っているので、その機能の一環として消込機能があり、マネーフォワードクラウド会計Plusとの連携がスムーズです。
債権管理システムだけでなく、CRM・販売管理システムとの連携機能を持ち、インボイス制度や電子帳簿保存法にも対応している点が特徴です。中小企業向けで、大規模な企業や非常に複雑な請求管理が必要な場合は、機能が不足する可能性があります。
料金はプランによりますが、初期費用0円、月額2,980円から利用可能な請求書管理システムと認識したうえで、債権管理機能は付随機能と考えて効果的に使うかどうかの判断をすると良いです。マネーフォワード クラウド請求書Plusは単独で購入可能です。
導入のポイントとしては、入金消込の量やどこまで自動で消込をしたいかで活用を診断するとよく、最初に紹介したV-ONEクラウドはマネーフォワードのグループ会社として買収されていますので、マネーフォワードの請求機能とV-ONEクラウドの組み合わせも効果的です。
クラウド型のため、システムの保守や更新の負担が軽減され、常に最新の機能を利用できる点も魅力です。
MakeLeaps
タイプ | 請求書発行・入金消込一体型 |
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初期費用 | 0円 |
月額利用料 | 1,000円〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 請求書作成、送付、入金消込、見積書・納品書作成、書類の英語対応 |
サポート体制 | メール、FAQ |
連携可能なサービス | 各種会計ソフト、API連携 |
MakeLeapsは、メイクリープス株式会社が提供している請求書作成・管理ソフトウェアです。また、メイクリープス株式会社は、株式会社リコーのグループ会社です。
請求発行が主体のシステムですが、見積書や納品書の作成もでき、口座連携による入金管理も可能です。見積書や請求書などの書類は英語対応ができる点は特徴的です。
連携できるシステムに制限がありますが、請求データを連携できるSMILEや商奉行などを利用している場合には、請求業務のシステムとして連携ができ、発行した請求書についての消込作業も可能です。債権管理がメインというよりも、請求発行の管理業務の一環として入金消込機能が付いており、推測機能で請求情報との照合が簡単にできます。
プランにもよりますが、口座連携をすることと債権管理をすることだが前提であれば初期費用0円、月額1,000円〜となり単独で購入可能です。低コストで始めたい企業での導入検討に適しています。
導入のポイントとしては、安価な請求発行システムを導入したい企業で、弥生会計や勘定奉行・PCA会計のいずれかの会計ソフトを利用している場合には連携がスムーズになります。また、安価なシステム利用かつ英語の見積書や請求書を発行したい場合も有効です。
クラウド型のため、システムの保守や更新の負担が軽減され、常に最新の機能を利用できる点も魅力です。
販売管理システムAlly
タイプ | 販売システム一体型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
提供形態 | オンプレミス・クラウド |
主な機能 | 顧客管理、受発注管理、売上管理、請求書発行、入金消込、督促、入金消込予測 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
販売管理システムAllyは、株式会社ディータイドが提供している販売管理システムで、販売管理システムの機能の一環として債権管理や自動消込の条件設定などの機能があります。
販売管理システムとして見積管理、契約管理、請求管理、債権管理機能の他に入金自動消込や予実管理などの販売プロセス全体を一元管理ができ、契約としては「債権債務管理システム」「債権管理システム」「債務管理システム」のいずれかの機能での契約となります。
社内に販売管理システムが導入されていない企業で、債権管理において入金自動消込機能が欲しい場合などには有効なシステムです。また、こちらのシステムでは部門や営業担当ごとの売上管理や予実管理、プロジェクト管理のほか、債務管理も可能なシステムになっています。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
導入のポイントとしては、販売プロセス全体を管理したい企業に適しています。特に見積から債権管理までを一元化したい場合かつ、入金消込など債権管理の機能が欲しい場合には効果的なシステムです。ただし、販売管理システムの導入となると、各種設定を含み最低でも3ヶ月の導入設定等が必要になります。
導入支援には着手できても、リリースまでは時間がかかることをご認識いただきたいです。
ProActive
タイプ | ERP型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド/オンプレミス |
主な機能 | 会計、人事・給与、経費・勤怠管理など、売掛金・未収金・預り金管理 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
ProActive C4は、SCSK株式会社が提供している会計、人事給与、経費管理・清算、勤怠管理など幅広い機能を統合したクラウドERPシステムです。
債権管理をするために導入するという目線より、社内の会計から人事給与、勤怠管理といったバックオフィスの業務を1システムで実現したいときなどに検討すると良いシステムです。人事周りや経理周りの業務効率化ができていない場合や、1システムのERP型を導入することで効果を高めたい企業には効果的なシステムです。
主な機能として、人事としては社員情報管理、勤怠管理、給与、給与明細、マイナンバー管理などの機能があり、経理としては経費精算、債権管理、手形管理、債務管理、リース管理、固定資産管理などの機能があります。人事・経理業務で必要とされるひと通りの機能が1パッケージに集約されているシステムですので、企業全体の業務効率化を目指す中堅・大企業での検討が最適です。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
単独モジュールでの購入も可能ですが、特定の機能だけを利用したい場合には割高になったり、過剰な機能を契約することになります。
導入のポイントとしては、バックオフィス系の業務を一元管理できるシステムを導入したいと考える場合には選択肢の一つとなりますが、効果を出すためにシステム全体を導入する場合には初期設定やルールの策定など半年~1年ほどの準備期間が必要となります。
債権管理システムの導入ではなく、バックオフィス系全体の業務の効率化を目指すという視点で探す場合に適しています。
クラウドERP ZAC
タイプ | ERP型 |
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初期費用 | 0円〜 |
月額利用料 | 7,000円〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 販売管理、購買管理、勤怠工数管理、売掛金・未収金・預り金管理 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
クラウドERP ZACは株式会社オロが提供しているクラウド型のERPで、販売管理や購買管理、勤怠管理・工数管理、経費管理、在庫管理、工程管理といった企業で必要とされる機能が網羅されたシステムです。
債権管理をするために導入するという目線より、企業の基幹系の業務全体を1つのシステムに集約するためにERPを探しているという状況であれば検討する対象となります。ZACは機能ごとにライセンスが別れているため、必要な機能とライセンス数を検討して導入することも可能です。
債権管理という視点で考えると販売管理ライセンスとなるが、機能としては見積・売上・請求・売掛金管理・与信管理など、販売業務全体の管理機能などがセットになっての契約となります。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
導入のポイントとしては、企業の基幹システムを選定する際や、一度ではなくとも今後段階的に基幹業務を1つのシステムに移行していきたい場合などに検討対象としての選定がおすすめです。効果を出すためにシステム全体を導入する場合には初期設定やメールの策定など半年〜1年ほどの準備期間が必要となります。
GrowOne 販売情報システム
タイプ | 販売システム一体型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
提供形態 | オンプレミス |
主な機能 | 見積管理、受発注管理、在庫管理、入荷・出荷管理、仕入・売上管理、債権・債務管理 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル、SEの訪問サポート |
連携可能なサービス | 特になし |
GrowOne 販売情報システムは株式会社ニッセイコムが提供している卸売業に特化した販売情報を管理するためのシステムになります。機能としては、見積管理、受発注管理、在庫管理、入荷・出荷管理、仕入・売上管理、債権・債務管理、契約管理があります。
セミオーダー式で、パッケージとスクラッチ開発の両方で自社に合うシステムを作り上げていくシステムのため、SaaS系のシステムと異なり自社の業務に合わせて柔軟なシステム導入を検討できます。
債権管理をするために導入するという目線より、自社の基幹システムを導入したいが、自社の業務フローや帳票などが特殊でパッケージ品では対応できないときなど、ベースのパッケージを基に開発をして貴社独自のシステムを作って欲しい場合などに選択します。ただし、クラウド版がないためオンプレミスでの導入検討になります。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
導入のポイントとしては、基幹システムとしてのパッケージ+スクラッチ開発になりますので、自社の基幹システム全体のリプレイスや新規導入を検討する場合には選択肢の一つとするのは良いかと思います。ただし、開発がセットになりますので、しっかりと要件定義をして進めていく場合には半年から1年は開発期間が必要となりますので、業務整理などや要件定義ができる社内の体制の構築などが必要となります。
会計ERP OPEN21de3
タイプ | 会計ERP型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
提供形態 | オンプレミス |
主な機能 | 会計、人事給与、債務支払管理、債権管理、固定資産管理 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル、訪問サポート |
連携可能なサービス | 各種システム連携 |
会計ERP OPEN21de3は株式会社ICSパートナーズが提供するシステムで、会計システムを中心に債務支払管理、債権管理、固定資産管理、リース管理、仕訳伝票自動読取り、人事情報・給与計算・ワークフローなどの機能を備えています。
会計機能の一つとして債権管理システムがあり、自社が保有する販売管理システムからデータをインポートすることで、自動消込と個別消込から債権管理をしていきます。「売掛金残高の年齢調べ」の機能もあり、未収を放置しないしくみもあります。
債権管理をするために導入するという目線より、会計周りを強化するために会計ERPを導入していくという考え方の場合には候補の一つとして検討すると良いかと思います。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
導入のポイントとしては、会計ソフトを提供しているICSパートナーの主力商品ですので、会計周りのソフトウェアをこちらの会社の製品で統一していくかどうか。という視点で検討が必要となります。インターネット上に情報が少ないため、まずは問い合わせをして機能や使い勝手なども確認が必要となります。
電債の達人
タイプ | 手形・でんさい管理特化型 |
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初期費用 | 0円(クラウド) |
月額利用料 | 130,000円(クラウド・年額) |
提供形態 | クラウド/オンプレミス |
主な機能 | 手形管理、手形の印刷、でんさい管理、期日現金管理 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル、リモートサポート |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
電債の達人はユニオンソフト株式会社が提供している手形・電子記録債権システムで、でんさいネット、電子手形、紙の手形、ファクタリング、期日現金の支払い方法に対応しています。
手形やでんさいの取り扱いに特化したシステムで、手形管理などはExcelで属人化しているケースが多い中で手形処理などを標準化することを目的としたシステムです。手形やでんさいの管理は手間がかかりますが、システム内で対応ができないものが多く債権債務の期日管理ができる点は管理する手形等が多い企業には効果的です。
債権管理全体を行うことはできませんが、債権管理の際に煩雑になりやすい手形やでんさいの管理ができます。債権管理だけであれば販売管理システムの機能で対応できるものもありますので、手形やでんさいが多い場合には債権の入金自動消込よりもこちらのシステムの方が効果が高いこともあります。
費用はオンプレミス版とクラウド版で異なりますが、クラウド版を基準とすると年額130,000円となります。月額になおすと10,000円強ですので、この金額で手形やでんさいの管理ができるようになるのであれば費用対効果は高くなります。
導入のポイントとしては、手形やでんさいの利用数の多さになります。旧来から利用しているシステムが使えなくなったり、プリンタが壊れて困っているときなどにもこのシステムを導入することで一般的な複合機から出力できるようになったりと発行も受領もシステムでできる幅が拡がります。
URIHO
タイプ | 売掛金の未収対策型 |
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初期費用 | 0円〜 |
月額利用料 | 9,800円〜 |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 倒産・支払い遅延時の保証 |
サポート体制 | メール、チャット、FAQ |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
URIHOは株式会社ラクーンフィナンシャルが提供しており、債権管理の中でも相手からの支払い遅延や倒産に備えた保証のためのしくみです。株式会社ラクーンフィナンシャルは上場している株式会社ラクーンホールディングスの子会社になります。
債権に対して未収や倒産リスクを避けるためのシステムで、法人又は屋号のある個人事業主の方への販売をする際に審査を行い、そのうえで倒産や1ヶ月以上の支払い遅延があった場合に保証をしてくれます。他社では倒産に備えた保険はあるものの、支払い遅延にも対応する点が特徴です。
債権管理といっても未収管理のための保険になりますので、他のシステムと考え方も機能も異なります。最短即日で審査をして返信が来ますので新規のお客様との取引が多い企業の保険的な要素としては良いかと思います。
費用は月額9.800円〜となっており、支払金額によって保証の上限等が変わってきます。
導入のポイントは、取引先には分からないカタチで審査が行われ取引に保証が付きますので、倒産リスクは稀だとしても1ヶ月の遅延によるキャッシュフローの課題はビジネスへの影響も大きいため、自社のキャッシュフローを鑑みて判断していただいたほうが良いと思います。
OBIC7会計情報ソリューション
タイプ | ERP型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
提供形態 | オンプレミス |
主な機能 | 会計、販売、人事給与、生産情報、財務 |
サポート体制 | メール、FAQ、チャット |
連携可能なサービス | 各種システム連携 |
OBIC7会計情報ソリューションは株式会社オービックが提供しているERP型のサービスになります。財務会計、管理会計。債務支払管理、社員支払管理、手形管理、固定資産管理など、単体会計から連結会計まで会計に関わる機能を充足したシステムです。
奉行シリーズを提供している株式会社オービックビジネスコンサルタントとは別会社で、オービックビジネスコンサルタントの創業の際にオービックが資本参加した経緯がありますが別会社です。
ただ、資本参加した経緯もあり創業時から中小企業向けに業務パッケージはオービックビジネスコンサルタントが担い、システムインテグレーション、システムサポート、オフィスオートメーションといった基幹業務システムによる中堅以上への展開はオービックが担っています。
また、会計以外にも給与・販売・人事・就業・生産情報といったシステムを組み合わせられることから、統合型のERPとして中堅以上の企業の基幹システムとして稼働しています。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
ただし、今回ご紹介しているシステムの中で最も高額なシステムになります。
導入のポイントは、中堅以上の企業としてOBIC7の基幹システムを必要としているかどうかになります。
支払管理の達人
タイプ | 債務・支払業務特化型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 300,000円~ |
提供形態 | オンプレミス |
主な機能 | 振込データ作成、支払処理、債務データ受入、支払予定作成 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル、リモートサポート |
連携可能なサービス | 銀行振込データ |
支払管理の達人はユニオンソフト株式会社が提供しているシステムで、すでにご紹介した電債の達人を展開している企業と同じです。債権管理の一環とも取れますが債務支払いに関するシステムになります。
こちらは連携が可能な会計ソフトから仕訳伝票を取り込むことで、金額を集計して支払日を自動計算してくれます。また、総合振込のデータを一緒に作成してくれたり、支払い通知書の作成も対応していますので、支払い関係についてExcel等で行っていた場合には、業務が大幅に削減できます。
債権を管理するという観点ではなく、債務を管理したい場合には検討しても良いシステムとなります。
価格はスタンドアロン版が少し高めの初期費用が30万円と保守費が別途必要となります。
価格の詳細が非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
導入のポイントは、電債の達人を一緒に使うことで、手形やでんさいの管理を連携できますので、手形やでんさいの取り扱いが多い場合には債務支払いの管理と手形の管理を連携して管理するシステムとて選択すると効果的です。
T-CHECK Plus
タイプ | 入金消込業務特化型 |
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初期費用 | 要問い合わせ |
月額利用料 | 要問い合わせ |
提供形態 | クラウド |
主な機能 | 売掛・買掛照合、請求書発行、回収管理 |
サポート体制 | 電話、メール、FAQ、マニュアル、導入サポート |
連携可能なサービス | 銀行API連携、会計ソフト連携 |
T-CHECK Plusは株式会社東計電算が提供しているシステムです。請求発行に加え売掛、買掛の照合から回収管理までの機能を備えたシステムです。
基幹システムからインポートしたデータを基に銀行の入金データとマッチさせて1対1だけでなく1対NやN対Nの照合が必要な場合にもシステムが自動判断して入金消込の処理を進めるてくれるため、自動消込が可能になります。
また、紙やPDFで送られてきた得意先からの検収データをAI-OCRから文字を抽出してシステムにデータを取り込むことも可能です。
入金消込の件数が10万件あった場合でも、数分で処理を終えるほど高速なエンジンを持っている点も特徴です。
価格は非公開のため、導入前に詳細な見積もりと機能の確認が必要です。
導入のポイントは、処理件数が多くすでにご紹介したクラウド系システムでは処理が滞るような場合、つまり大手企業などで入金消込データが非常に多い場合などに検討をすると効果が高くなります。
債権管理システムの選び方6選!重要な比較ポイントを詳しく解説
債権管理システムの選び方として、企業の規模や業務内容によっても最適なシステムが異なります。
自社にとって効果的なシステムを選ぶために、おさえておきたい重要な比較ポイントを6つ紹介します。
債権管理システムのタイプで選ぶ!自社の課題や規模に合うか
債権管理システムの特徴としては、入金の自動消込を目的としたシステム、請求発行と入金消込が一体となったシステム、そして販売管理やERPシステムに付帯する形で利用するタイプの大きく3つのタイプに分類されます。
自社の課題や規模に合わせて、適切なタイプの選択が重要です。
入金消込業務の効率化に特化したタイプは小規模事業者向け
入金消込業務の効率化に特化したタイプの債権管理システムは、主に中小企業で基幹系のシステムが古い企業や請求発行システムはあるが入金消込に手間がかかっている企業に適しています。
入金消込業務の効率化に特化したタイプのシステムは、銀行からの入金データを自動で取り込み、売掛金と自動で照合を行う機能が主体となります。入金消込の業務は経理担当者のみが実施する一部の業務であり、システム導入の話をあまり聞かない業務でもあることから、手作業で行っていた入金消込作業を自動化するというイメージが湧きにくいです。しかし、入金消込の業務は比較的ルール化しやすい業務のため、大幅な業務効率化が期待できます。
また、このタイプのシステムは比較的低コストで導入が可能なことが多く、限られた予算内でも債権管理の効率化が図れますので、請求書発行や与信管理などの機能が不要で、入金消込だけの効率化で高い効果を得られる企業にはおすすめです。
請求書発行と入金消込が一体型になったタイプは中小企業向け
請求書発行と入金消込が一体型になったタイプの債権管理システムも、主に中堅・中小企業での活用に適しています。
請求書発行と入金消込が一体型になったタイプのシステムは、請求書の作成から発行、入金消込までの一連の流れを一元管理できる点が特徴です。
中堅・中小企業では、すでに請求発行システムが導入されていたり、古くからある基幹システムの中に請求発行システムが組み込まれているケースも多くあります。既存の請求発行システムを活かす場合には入金消込の機能で十分ですが、これを機に請求業務と入金管理を同じ担当者や部署でスムーズに行うという場合には、こちらのタイプのシステム選定がおすすめです。
業務が一本化され、一つのシステムで管理していた方がシンプルで分かりやすくなる点もメリットです。
また、請求書と入金データが連携しているため、未回収債権の把握や督促業務の効率化にもつながり、債権管理業務全体の効率化と可視化が可能となります。
ただし、導入コストや請求書の発行方法の変更を含む運用の変更により、導入時も運用時も複雑さは入金消込に特化したタイプよりも増加するため、費用対効果を十分に検討した導入診断がおすすめです。
ERPの中に債権管理サービスが付帯するタイプは大企業向け
ERPや販売管理システムなどの企業の基幹システムの中に債権管理サービスが付帯するタイプは、大企業を含む中堅企業以上での導入が適しています。
ERPは、企業の基幹系業務を1つのパッケージとして統合したものをいうことが多く、販売管理・購買管理・在庫管理・会計管理といった業務の一連の流れに沿った機能が揃ったシステムです。
もちろん請求発行や未収管理などもこちらのシステム内で実施することから、その中に債権管理機能が組み込まれています。
ERPや販売管理システムなどの企業の基幹システムの中に債権管理サービスが付帯するタイプは、もともと債権管理を便利にするとか、債権管理業務に課題があって対策をするとか、債権管理の目線で導入判断をするものではなく、統合型のシステムを導入することで全社の業務全体を効率化するかどうかという視点で導入判断されます。
つまり、経理担当者が債権管理業務を効率化したいとか、したくないとか考える以前に、パッケージに債権管理システムが付随していれば業務を効率化するために機能を最大限に活用した方が良いですね。
もし、このあとERPや販売管理システムを導入しようと考えているのであれば、選択肢を決める一つの要件として債権管理の効率化を提案しても良いかと思いますが、現場業務を優先して決めることになると思いますので、効果が低ければ入金消込業務の効率化に特化したタイプを追加で導入すると良いかと思います。
入金・売掛金・督促業務・与信管理など必要な機能があるか
債権管理システムを選ぶ際には、自社の業務に必要な機能がすべて備わっているかについて確認項目を洗い出して丁寧な確認が大切です。
債権管理システムに求める機能としては、主に入金管理、売掛金管理、督促業務、与信管理などの機能がありますが、すべての会社にすべての機能が必要というわけではありません。
自社の業務フローと既存のシステムを分析し、どの業務に多くの時間を費やしているのか、どの機能が業務を効率化させるために必要なのかを明確にすることが大切です。
例えば、入金消込業務に多くの時間を費やしている場合は、自動消込機能が充実しているシステムを選ぶといいですね。
一方で、取引先の信用リスク管理が課題の場合は、与信管理機能が充実したシステムを選択することで高い効果を得られます。
必要な機能を絞り込むことで、過剰な機能を持つ高価なシステムを導入してしまうリスクを避け、費用対効果の高いシステムの選定につながります。
初期費用だけでなく月額費用や追加機能に対するコストも比較検討
債権管理システムを導入する際のコストは、初期費用だけでなく、月額費用や追加機能に対するコストも含めて総合的な比較検討が大切となります。
クラウド型のシステムは、初期費用が抑えられる一方で、月額費用が利用期間中ずっと発生します。一方、オンプレミス型のシステムでは初期費用が高くなる傾向がありますが、長期的に見ると月額費用は保守費のみを支払うケースが多いため少額で進められることから将来コストは低くなる可能性もあります。
近年はクラウドを活用したシステムが多く、初期コストもランニングコストも比較的少額で活用できるケースが増えています。特に中堅・中小企業では利用するユーザー数が少なければコスト負担が安くなりますのでクラウド型の導入がおすすめとなります。
債権管理システムの情報は、会計に関わる情報ですので7年間保管しておいた方が良いと考えると、クラウドの場合にはデータ容量の増加により維持費がどのくらいになるのかシミュレーションしておくことも大切ですね。
既存のネットバンキング・会計ソフト・ERPと連携できるか
債権管理システムを効果的に活用するためには、既存のシステムとの連携がとても大切です。
特に、ネットバンキング、会計ソフト、ERP、販売管理ソフト、請求発行システムなどとの連携が可能かどうかは、業務効率化の観点から大きなポイントとなります。
ネットバンキングとの連携ができれば、入金データを自動で取り込めるため、入金消込作業の効率が大幅に向上します。
また、会計ソフトとの連携ができれば、債権管理システムで処理したデータを会計処理に反映でき、二重入力の手間を省けます。
そして、ERPや販売管理システム、請求発行システムとの連携については、管理したい債権データを取り込めなければ効率化が進みませんので、こちらも必要不可欠です。
システム選びの際には、自社が利用している既存のシステムとの連携可能性を必ず確認し、スムーズな業務フローの構築が可能かどうかの見極めるが大切です。
日常的に利用するので直感的で操作しやすいインターフェースか
債権管理システムは日常的に利用するシステムであるため、直感的で操作しやすいインターフェースが望ましいです。実際に利用する方は多くなかったり、自動消込等が行われることで、導入後にインターフェスを気にするほど画面と向き合うケースは少ないかもしれませんが、結果を見やすくしたり操作性が容易であるなどインターフェイスが直観的で操作が容易であることはプラス要因ですね。
ユーザーインターフェースは、特に直観的で操作しやすいことが大切で、より一層の効果を上げることにつながる可能性があるため請求書の作成画面や、消込の設定をする画面は大切になります。特に消込の設定をするところは、今回の設定が次回以降の自動仕訳に大きく直結するため、ミスをしづらい設計が望ましいですね。
いずれにしても、シンプルで分かりやすい画面構成や操作フローかつ、効果が高いシステムを選定すると良いですね。
導入前後のトラブル対応や運用サポートが充実しているか
債権管理システムの導入においては、スムーズな導入やスムーズな初期設定をしていくためには、ベンダーのサポート体制がとても大切です。しかし、近年はSaaS系のシステムを利用するにあたっては、導入する企業が自ら自社で初期設定を行ったり、課題があるとチャットで質問するような進め方となっています。
入金消込や請求書と一体型のシステムまではチャットの活用や手順書の活用でも良いかと思いますが、ERPや販売管理システムなどの大型のシステムを導入する際には、システム会社のサポートの手厚さやトラブル対応のスムーズさは重要になってきます。
ユーザー向けのトレーニングプログラムや、マニュアル・FAQなどが充実しているかどうかも、判断する際に見ておくと良いかと思います。
債権管理システム導入のメリットは企業の安定経営をサポート
債権管理システムの導入により、あまり注目されてこなかった債権をスピーディーかつ適切に把握することで、企業の財務管理を大きく改善し、安定した経営基盤の構築をしていくことをサポートしていきます。
適切な債権管理をすることで企業の資金繰りが円滑になるため、経営の安定性を高める重要な要素となります。
債権回収の効率化と入金管理の正確性向上でキャッシュフロー改善
債権管理システムの導入により、債権回収プロセスが効率化され、入金管理の正確性が向上します。
これにより、企業のキャッシュフローが見える化されたり、早いタイミングで未収を発見することで督促を行うなど、キャッシュフローに対する体制が大幅に改善され企業の安定運営につながります。
具体的には、システムを導入することで、自動的に入金データを取り込み、売掛金との照合を行うことで、手作業による遅延や誤りを最小限に抑えられます。
そして、入金の自動消込機能により、入金確認から売掛金消込までの時間が短縮され、リアルタイムでの債権状況の把握が可能になります。
未回収債権の早期発見や迅速な対応が可能となることで、結果として回収サイクルの短縮とキャッシュフローの改善につながっていきます。
また、システムによる正確な入金管理は、過剰な与信や滞留債権の発生を防ぎ自社の資金循環を促進します。
煩雑な手作業を削減し経理担当者の業務負担やミスを大幅に軽減
債権管理システムの導入により、経理担当者の業務負担を大幅に軽減し、人為的ミスのリスクを低減します。
従来の手作業による債権管理では、データ入力や照合、請求書発行などの作業に多くの時間と労力を費やしてきました。しかし、システムの自動化機能により、これらの煩雑な作業が自動化され、大幅な作業時間が削減されます。
例えば、請求書の自動生成や一括送信、入金データの自動取り込みと消込処理などが可能となり、経理担当者は今まで手が付けられていなかった業務に着手できたり、戦略的な業務により多くの時間を割くことが可能になります。
さらに、手作業によるデータ入力や計算ミスのリスクが軽減されることで、財務データの信頼性が向上する点も企業にとって大きなメリットです。
今までは手作業で行うことしか方法が見出せず、経理担当者へ大きな負担をかけても過去からの知見に頼るところもあり、非効率な作業も打ち手が無かった時代もありましたが、これからはシステムを有効活用することで改善を図っていくべきポイントです。
債権状況を可視化できるので経営データ分析やリスク早期発見が可能
債権管理システムの導入により、企業の債権状況が可視化され、経営データの分析やリスクの早期発見が可能になります。
システムを導入することで、債権が発生してから回収するまでの全プロセスを一元管理できるようになり、リアルタイムでデータや情報の更新が可能になります。
今までは確認したいと思っても手作業で集計することから、半日から1日、もしくはそれを超えるほどのタイムロスがあったうえでデータの確認ができる状況であったかと思います。
この可視化された情報を活用することで、経営者は債権の滞留状況や回収予測、取引先ごとの支払い傾向などを容易に把握できるようになりますので、自社のキャッシュフローのあり方を見直すチャンスも生まれ、資金繰りの予測精度が向上し、経営判断に活かすことが可能になります。
また、債権が想定より遅く回収されている取引先などを見つけた場合には、企業の現状を確認したり与信条件の見直しや取引方法の変更を検討する、先方に状況のお伺いを立てるなど、リスクの早期発見と早期対応ができる点もメリットになります。
正確な顧客対応で満足度が上昇し法令・コンプラ遵守の強化にも
債権管理システムの導入により、ケアレスミスや間違った問い合わせを行うケースが減少するなど顧客対応の正確性と迅速性が向上し、仮にお客様から問い合わせがあっても迅速な回答ができることから顧客満足度があがることにもつながります。
具体的には、お客様から入金状況や請求内容の確認、支払い履歴の照会などがあった場合に、リアルタイムで正確な情報の提供が可能になります。
その他、債権管理システムを導入することで法令遵守やコンプライアンスの強化にもつながっていきます。これは、システムによる一元管理と自動化により、債権管理プロセスが透明性され、不正や誤りのリスクが発生する可能性が大幅に低減されるからです。
あわせて、法定書類の自動生成や保管機能により、法令で定められた債権管理の要件を確実に満たせます。これは、監査対応の効率化や法的リスクの低減にもつながり、企業の信頼性と持続可能性を高めることにつながっていきます。
債権管理システム導入のデメリットはシステム依存のリスクあり
債権管理システムを導入することで多くのメリットをもたらしますが、反対にいくつかのデメリットやリスクも発生します。
これらのデメリットを理解して適切に対処することにより、債権管理システムを導入することの成功や長期的な効果を得ていくことにつながっていきます。
導入・運用コストが比較的高くシステムの導入に時間がかかる
債権管理システムの導入には、初期投資と継続的な運用コストがかかります。
これらのコストは、企業の規模や選択するシステムによっても大きく変動しますが、経理の一部の社員が対応することでおおよその業務が完了していた事実もあるため、中小企業にとってはこの投資が負担になるケースもあります。
また、システムの導入には相当な時間を要します。
入金消込のみのシステムであっても初期設定や自動仕訳を学習をさせるためには相当な時間がかかりますし、データを自動で取り込んだり、結果をシステムへ自動で連携していくとなると既存システムとのデータ連携の仕組みの構築も必要となります。
また、システムを刷新していく場合には、既存のデータの移行、システムのカスタマイズ、テスト運用など、完全な導入までには数ヶ月から場合によっては1年以上かかることもあります。
この期間中は、通常業務に加えてシステム導入作業も並行して行う必要があり、一時的に社員の業務負荷が増大するケースが大半です。
現行の業務フロー見直しや従業員のトレーニングが必要となる
債権管理システムの導入は、単なるツールの変更だけで済めば良いのですが、多くの場合、既存の業務プロセスの大幅な見直しが必要となります。
これは、システムの機能を最大限に活用し、効率をあげていくためには必要不可欠なステップですが、ERPや販売管理システムの導入やリプレイスをする際には特に顕著に起こります。
そして、同時に組織内の抵抗を招く可能性もありますし、新しいプロセスが浸透するまでトレーニングや社内調整も必要になります。
特に、長年同じ方法で業務を行ってきた従業員にとっては、現行システムや現行の業務フローに慣れていることから新しいシステムへの移行に対する抵抗感が強かったり、自動化に対する理解が求められなかったりすることもあります。
システムの初期設定よりも社員に理解をしてもらい、新しい業務に慣れてもらうことの方が大変かもしれません。
また、トレーニング期間中や、新しいシステムに慣れるまでの期間中は、生産性が一時的に低下する可能性がありますし、トレーニングにかかる費用も考慮に入れておく必要があります。
システムダウンした場合に業務が一時停止するリスクがある
債権管理システムの導入により、システムへの依存度が高まるとシステムダウンに対するリスクも大きくなります。サーバーの故障、ネットワーク障害、ソフトウェアのバグなど、さまざまな理由でシステムが機能しなくなる可能性があります。
もちろん人に依存している場合には、その方が体調不良で休むリスクや、入院・ケガなどのリスクもありますので、同様にリスクはあります。
ERPや販売管理システムがダウンした場合には会社全体の業務が止まってしまうリスクがあり、請求発行システムがダウンした場合には請求業務が止まってしまいます。
これらは企業のIT活用を通じて債権管理システムだけに該当する話ではありませんが、債権管理業務における請求書の発行、入金の確認、債権の回収などは、企業活動の中で重要な業務プロセスてもあることから長期間のシステムダウンを招くと深刻な影響を与える可能性があります。
特に、月末や決算期などの重要な時期にシステムダウンが発生した場合、その影響はかなり大きいものになります。
システムがSaaSをはじめとしたクラウド型なのかオンプレミスなのかによっても対策は異なりますが、このリスクを軽減するためには、いずれにしても緊急時の対応として手動処理など、社員だけで対応できる環境の整備が大切です。
セキュリティ対策が不十分だとデータ漏洩のリスクが高まる
債権管理システムを導入することで、企業の財務データや顧客情報など、極めて機密性の高い情報がシステムに登録されていきます。そのため、セキュリティ対策が不十分だと、データ漏洩のリスクが高まってしまいます。
近年は、サイバー攻撃にはじまり、内部不正やシステムの脆弱性など、データ漏洩の原因になる可能性も多岐にわたります。一旦データ漏洩が発生すると、金銭的損失だけでなく、企業の信頼性や評判に深刻なダメージを与える可能性があります。
適切なセキュリティ対策を講じるためには、最新のセキュリティ技術の導入、定期的なセキュリティ監査、従業員への情報セキュリティ教育など、継続的な投資と努力が必要となります。また、クラウドシステムを利用する場合は、サービス提供者のセキュリティ対策も十分であるか確認しておくと良いでしょう。
これらのセキュリティ対策を講じると、システムの導入と運用コストをさらに増加させる要因にもなりますので、債権管理システムだけでなく企業セキュリティ全体の検討が必要不可欠です。
債権管理システム導入をおすすめする企業の特徴4選
債権管理システムの導入は、多くの企業にとって業務効率化や財務健全性をあげることにつながるためおすすめです。
特に次のような要件に該当する企業には、債権管理システムの導入により高い効果が得られます。
顧客や取引先の数が多く債権管理が煩雑になりやすい企業
顧客や取引先の数が多い企業では、債権管理が非常に複雑で煩雑になりがちです。
多数の取引先に対する請求書の発行や、入金の確認、消し込み作業などを手作業で行うことは、時間がかかるだけでなく、ミスが発生するリスクも高くなります。
債権管理システムを導入することで、これらの作業の自動化や効率化を実現できます。システムは大量のデータを正確に処理し、入金状況をリアルタイムで把握できるため、多数の取引先を抱える企業にとって特に有効な手段となります。
また、取引先ごとの支払い傾向や滞納リスクなどの分析も容易になり、より戦略的な債権管理が可能になります。
小売業や製造業など資金繰りやキャッシュフローが重要な企業
小売業や製造業などの業種では、在庫管理や仕入れのタイミングなど、資金繰りやキャッシュフローの管理が事業の成否を左右する重要な要素となります。これらの業種では、売掛金の回収が遅れると、仕入れや運転資金に支障をきたす可能性があります。
債権管理システムを導入することで、入金予定や未回収債権の状況を正確に把握し、将来のキャッシュフローを予測できます。これにより、資金繰りの計画を立てやすくなり、より効率的な経営判断が可能になります。
また、システムによる自動督促機能などを活用してお客様へ債権回収の遅延をお知らせすることで、実際に発生する遅延を最小限に抑えられ、安定したキャッシュフローの維持に貢献できます。
債権管理を複数の拠点で行っており一元管理が必要な企業
複数の拠点や支店を持つ企業では、各拠点で独自に債権管理を行っているケースが多いため、今まではExcelや手書き等の管理が中心で全社的な債権状況の把握が困難なケースが多くありました。
このような状況の場合、各拠点と本社で重複した作業が発生したり、情報の不一致が発生しやすく、経営判断ができるほど正確な情報を得ることが難しい状況でもありました。
債権管理システムを導入することで、全拠点の債権情報について一元管理が可能となります。
これにより、各拠点での作業も効率化されるだけでなく、本社にてリアルタイムに全社の債権状況の把握が可能となりますので、適切な経営判断を下すことにつながっていきます。
中小企業やスタートアップなどリソースが限られている企業
中小企業やスタートアップ企業では、多くの場合は人的リソースや資金が限られているため、効率的な業務遂行が求められます。しかし、これらの企業では経理担当者が少数であったり、そもそも他の業務と兼務であることも珍しくなく、経営者自身が債権管理を行っていたりするケースも少なくありません。
債権管理システムを導入することで、請求データの自動化や入金消込の自動化などができれば、限られたリソースでも効率的に債権管理ができるようになります。
システムによる自動化により、手作業の負担が大幅に軽減され、少人数でも正確な債権管理が可能になりますので、コストを抑えるためにクラウド型のシステムをまずは選択して進めてくことがおすすめです。
債権管理システム導入に関するよくある質問に回答
債権管理システムの導入を検討する際、多くの企業が共通の疑問や懸念を抱くことになります。
ここでは、よくある質問とその回答をご紹介します。
債権管理システムとは具体的にどのような機能がありますか?
債権管理システムの機能としては、売掛金データと入金データを自動で消込をする機能や、消込したデータを会計ソフトと連携して流す機能、未入金一覧のリストを作成する機能などがあります。
簡易的なものになると入金消込だけのシステムになりますし、機能とコストが増えるにつれて請求発行の機能とセットで提供されていたり、逆にERPや販売管理といった社内の基幹システムになるような機能の一部として債権管理システムがあり入出金消込をするように機能が付随しているケースもあります。
債権管理システム導入にかかる費用はどのくらいですか?
債権管理システムの導入コストは、選択するシステムの種類や規模、機能によって大きく異なります。クラウド型のサービスかつ請求発行機能と債権管理機能を提供するシステムであれば、月額数万円から利用できるものもあります。一方、クラウド・オンプレミス型のいずれも大規模なERPシステムや販売管理システムのリプレイスとセットで導入する場合には、数百万円以上の初期投資が必要になる場合もあります。
導入後の業務効率化や債権回収率の向上によるコスト削減効果もある反面、企業として目指す姿を決めて投資額を考慮する必要があります。
債権管理システム導入にどれくらいの時間がかかりますか?
導入期間は、システムの規模や企業の業務プロセスの複雑さによって異なります。クラウド型の比較的シンプルなシステムであれば、数週間程度で運用を開始できる場合もあります。
一方、大規模かつカスタマイズが必要な場合や、複数の既存システムとの連携が必要な場合は、数ヶ月から1年以上かかることもあります。導入計画を立てる際は、データ移行やユーザーテスト、ユーザートレーニングの期間も考慮に入れておく必要があります。