公開日:2023.11.29 更新日:2024.02.07

業務の自動化とは?自動化を成功させる方法とメリットについて

概要

業務の自動化は、単純作業を可能な限り削減することができる手段として急速に注目が集まっています。
RPAと呼ばれるツールを活用することでデータ入力などのルーティン化された作業を削減することができるため、今や企業にとって欠かせない業務効率化方法の一つです。
しかし、業務の自動化をするためにはいくつか気をつけておきたいポイントが存在します。
本記事では、業務自動化における注意点や、業務を自動化することのメリットなどについて解説します。

業務の自動化が注目されている理由

最近では、RPAと呼ばれるPC上で行っている業務の自動化ロボットや、Excelマクロといった業務を自動化させる手段が脚光を浴びています。
これらの業務自動化ツールを導入することで、これまで以上に企業の生産性を向上させることが可能です。
しかし、なぜこれほどまでに業務の自動化が注目されているのでしょうか。
ここでは、その具体的な理由やその概要について見ていきましょう。

少子高齢化による人手不足の深刻化

業務の自動化が脚光を浴びている理由の一つに、少子高齢化による人手不足が挙げられます。
一昔前までは働き手の数自体が多く、中小企業であっても常に優秀な人材にリーチできるチャンスがありました。
しかし、現代の日本では働き手不足が深刻化しており、労働力が減少しているため、自動化やロボットの力を借りた業務の効率化が必要不可欠です。
人手不足の深刻化は、業務の効率化が注目を浴びている重要な背景の一つといえます。

働き方改革の推進

自動化が注目を浴びているもう一つの背景に、働き方改革の推進も挙げられます。
以前までは長時間の残業が慢性化している職場も少なくなく、業務量に多少無理があっても残業して何とか乗り切るということも珍しくありませんでした。
しかし、最近では「ワークライフバランス」という文脈で、労働時間の削減や柔軟な働き方の実現を進めようという動きが進んでいます。
政府が主体となって働き方改革を進めているということもあるため、業務の自動化が注目を浴びているといえます。

業務を自動化するメリット

RPAツールやIoTなど、業務の自動化のためにはさまざまな方法があります。
しかし、業務を自動化する際、導入費用や研修など、金銭面での負担が発生してしまうことは避けては通れません。
それなのにも関わらず、コストを負担して自動化を進めようという企業が増えてきているのはなぜでしょうか。
ここでは、自動化のメリットについて解説します。

業務の属人化防止・ヒューマンエラー防止

業務を自動化することの最も大きなメリットの1つとして、業務の属人化を防ぐことができるという点があります。
具体例として、営業部署にエースとなる社員が在籍している環境の場合、エース社員に仕事が集中してしまい、必要なスキルやノウハウが部署内で共有されないという問題が起こってしまいます。そのような状況でエース社員が退職してしまうと一気に部署としての能力が落ちてしまい、業務が回らないという事態に陥りかねません。
そこで、ツールを導入して業務を自動化することで、業務が属人化してしまうことを防ぐことができ、より強靭な組織を構築することができるようになります。

また、業務の自動化を図ることでヒューマンエラー防止にもつながります。
人間が長時間の単純な作業を繰り返している場合、細心の注意を払っていたとしても認知ミスや意識の低下などでヒューマンエラーを起こしてしまう可能性があります。
そうなってしまうと修正作業が発生してしまい、生産性や品質が低下してしまいかねません。そのような状況を解消するために業務の自動化を図ることで、一人一人が請け負う業務量を減らし、ヒューマンエラーを起こす可能性を低下させることが可能です。

コストの削減

業務の自動化におけるメリットとして、コスト削減ができるという点も挙げられます。
単純な作業を人の手で担っている場合はどうしてもその分の人件費がかかってしまい、外注などを利用して人件費の削減を図ったとしても、人件費を完全にゼロにすることは不可能です。
自動化ツールによる仕事の場合であれば、いくら長時間稼働させたとしても正確性を欠くことはなく、残業代もかかりません。定額のライセンス料のみで運用できるため、自動化にはコスト面でのメリットが大きいといえます。

定型業務を減らし、コア業務に注力できる

自動化が得意な分野は、データの入力や経費の精算といった定型作業が多い分野です。
上記でも触れましたが、定型作業や単純作業を人の手で行う場合、疲労や集中力の低下によってどうしてもミスが発生してしまいます。また、定型作業を継続して行うことは多くの人にとって苦痛であり、社員エンゲージメントが低下してしまうことにもなりかねません。
そのような定型作業を自動化することで、労働時間をより生産性の高いコア業務に回すことができます。
クリエイティブな仕事に注力させられるため、働きがいの改善や業務改善にもつなげることが可能です。

業務の自動化における代表的なツール・用語

業務の自動化における代表的なツール・用語

業務の自動化のためには、自動化したいことに合わせたツールの検討が必要です。「業務の自動化」といった際に必ず耳にするキーワードとして、「RPA」「OCR」といったものが挙げられます。また、最近ではAI(人工知能)を自社で採用して自動化を進めようという試みも少なくありません。
ここでは、自動化における代表的なツールや用語、目的などについて解説します。

RPA

RPAとは、「ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語であり、機械による業務プロセスの自動化のことを指します。RPAツールを仕様することで、メール送信やデータ入力といった従来人間が担っていた単純作業を自動化することが可能です。そのため、ヒューマンエラーの防止や生産性の向上といった効果が期待できます。現在では、国内の製造業やサービス業はもちろん、金融機関や地方自治体など、幅広い組織で活用が進んでいます。活用の際にプログラミングスキルや経験が不要であるサービスが多いのもRPAの特徴です。

こちらの記事では、RPAについて具体的に解説していますので併せてご確認ください。
RPAによる業務自動化とは|自動化業務の洗い出し方法や導入事例を紹介

OCR

OCRは、手書きや印刷された文字をスキャナが自動で読み取りデータ化する技術のことであり、日本語では「光学的文字認識」などと訳されています。OCRもRPAと同様に業務の自動化を進めることができるツールの一つです。OCRは、主に伝票や請求書等の手書き書類の入力やアンケート結果の読み取りといった場面で活用されます。文字を認識して文字データに変換できるため、認識した結果を利用して内容の解析や加工を行うこともできます。

AI

AIとは、人間によって作られた知能、すなわち人工知能のことです。2020年前後になって急速に注目を浴びている技術の一つでもあり、画像認識や音声認識、自然言語処理と呼ばれる文章を理解する技術など、さまざまな場面でAIが活用されています。特に企業においては多種多様な活用方法があり、ネット上の情報を収集して分類するタスクや、これまでの売上データから将来の売上データを予測するタスクなどで活用されています。
また、2022〜2023年ごろから人間と同じように自然な会話が可能な「ChatGPT」が登場したこともあり、AI技術には高い関心が持たれています。AIは、RPAやOCRなどの自動化ツールと併せて活用することで、より強力な効果を発揮することができるツールです。

IoT

IoTとは、インターネット経由でさまざまなデバイスが連携することをいいます。
たとえば、センサーとドアが連携し、人が出社した際に自動でドアのロックを解除するといったことや、センサーとエアコンが連携し、出社と同時にエアコンを起動するといった活用方法があります。インターネット経由で情報を管理できるため、エアコンやドアといった実際に存在する機械と高度に融合した業務の自動化が可能です。

マクロ(VBA)

マクロ(VBA)は、「Visual Basicfor Applications」の略称であり、ExcelやWordといったMicrosoft社の製品に付属しているプログラム言語のことです。
記録したマクロはExcelやWordの内部でプログラミング言語の形式で保存されているため、後からいつでも自動化の内容をカスタマイズすることが可能です。利用にはプログラミングスキルやマニュアルなどが必要ですが、社内にMicrosoft社の製品が導入されてさえいれば今すぐに活用を開始できるといったメリットがあります。

こちらの記事では、マクロ(VBA)について具体的に解説していますので併せてご確認ください。
RPAによるExcel業務自動化のコツ|マクロとの違いや事例を紹介

業務自動化の進め方のコツ・手順

業務自動化の進め方のコツ・手順

実際に自社の業務を自動化する際には、どのようなステップで進めていけば良いのでしょうか。まずは現在の業務を洗い出し、可能な限りペーパーレス化を検討するところからはじめると良いでしょう。
業務自動化のための具体的なステップやポイントは下記で詳しく解説します。

現在の業務手順を洗い出す

まずはじめに、現在社員が担当している業務を洗い出す必要があります。
RPAをはじめとした自動化支援ソフトは、大量の作業を一度にこなすことができる便利なツールですが、決まった手順のなかでしか動作させられないという特徴があります。手順化されていない業務を自動化するのは難易度が高く、自動化が上手く進まない可能性が高いです。
そのため、まずは自社のなかで自動化させたい業務内容を洗い出し、ロボットに担当させる仕事内容を明確化しましょう。

ペーパーレス化を検討する

業務の自動化を行う際は、ペーパーレス化を検討するのも重要なポイントです。情報を書類で管理してしまうと、情報紛失のリスクが高まると同時に印刷費やインク代にコストがかかってしまいます。
さらに、紙で記入した情報をパソコンに取り込んでから処理を行い、それを再び紙で印刷するため、非効率的といえます。
まずは発注書や申請書、契約書など、現在紙で業務を行っているものをペーパーレス化をすることが業務の自動化させる第一歩となるでしょう。

自動化できそうな業務を見つける

ツールを活用した自動化を検討する際には、自動化できそうな業務ごとにチェックし、分析しながら探し出しましょう。
パソコンによる自動化には、得意な分野と不得意な分野があります。基本的に、売上の入力や売上データの処理といったデータ加工など、単純作業はパソコンによる自動化の得意分野です。

一方で、意思決定が必要な場合や、ルールと手順が毎回違う業務の場合などは自動化には向いていません。
自動化ツールの特性をよく理解し、単純作業で仕事が流れる業務を中心に自動化するよう意識しましょう。

ツールの選定

効果的な自動化を行うためには、自社にぴったりなツールを導入することが欠かせません。
自動化するためのツールには、高機能で価格設定が高いツールから機能が少なく低価格で利用できるツールなど、多種多様なものが存在します。自動化したい業務にしっかりと対応しているツールを選ぶことはもちろん重要ですが、高機能なツールを選べば良いというわけでもありません。
自動化したい業務内容や現在のオフィス環境などと照らし合わせながら、自社に合ったツールを判断するように心がけましょう。

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まずは小規模な自動化から進める

自動化を行う際は、いきなりすべての自動化を試みても上手くいきません。自動化ツールをしっかりと活用するためには、従業員がツールの特性や仕組みをよく理解することが必要です。最近では使いやすさを意識したツールも増えてきてはいますが、それでもはじめての活用までに数時間〜十数時間の学習が必要なツールがほとんどです。
いきなり全体の自動化を行うのではなく、まずは小規模な自動化から挑戦するなど、段階的に自動化していくとスムーズでしょう。

結果検証と改善を繰り返す

自動化ツールを導入したあとは、しっかりとフィードバックを受け取ることが重要です。自動化ツールを導入したことでコストが削減できた反面、自動化ツールを導入したために新たにトラブルが発生したということは少なくありません。
自動化ツールによって得られた結果の検証を進めるとともに、さらに自動化ツールを効果的に活用するためには何が必要なのか、常に改善し続ける姿勢が重要です。

業務の自動化にありがちな失敗

業務を自動化することはとても重要なことですが、自動化したからといって必ずそれが企業にとってプラス効果を発揮するとは限りません。
自動化ツールの導入にもコストがかかるため、企業にとって効果がある自動化なのかどうかを必ず検討することが必要です。それらを見誤ってしまうと望む結果を得ることができず、導入した意味がないと感じてしまうかもしれません。

ここでは、自動化の際にありがちな失敗を4つご紹介します。

業務の実態を把握できていない

自動化の際に最もありがちな失敗の一例として、自動化のツール導入を担当する社員が、自動化したい業務の詳細を把握していないまま自動化を進めてしまうというケースがあります。
特に、既に現場で導入されているツールと互換性がないツールの導入や、現場の担当者が扱えない難しいツールを導入してしまうケースは少なくありません。業務の実態を把握できていなければ、自動化による効率が逆に落ちてしまうということにつながる可能性があるため、注意が必要です。

自動化しづらい業務を自動化させようとしてしまう

最近では多様な業務が自動化されてきていますが、パソコンを使う仕事だからといって何でも自動化できるわけではありません。
単純作業が続くような単調な仕事は自動化に向いている一方で、複雑な意思決定を必要とする業務には自動化に向いていません。自動化しづらい業務を自動化させようとしてしまうと、RPAの導入に時間がかかってしまったり、エラーが頻発して修正に手間がかかるといった問題が発生してしまいます。
業務効率化を目指すあまり、自動化に向いていない業務をRPAで自動化させないよう、最初は自動化しやすい小さい作業からはじめ、感触を掴んでいくと良いでしょう。

効果を数値で表さずにツール導入をしてしまう

導入時に必要となる初期費用に加え、月々払う必要があるライセンス料など、自動化ツールの導入には少なからずコストがかかります。
これらのコストを計算せずに自動化を進めてしまうと、コストを削減するための自動化によってコストが増大してしまうといった本末転倒な事態になりかねません。
業務の自動化を進める際は、自動化によって削減できた工数を計算するなど、必ず自動化によって得られた効果を数値化するようにしましょう。

全自動化を意識しすぎる

業務を自動化できるとなれば、「この業務も自動化できるのではないか」「あの業務も自動化できるのではないか」など、自動化に期待をしてしまうことはよくあることです。
しかし、社内で発生する業務を可能な限り自動化したとしても、人の手でこなさなければならない仕事は必ず残ります。
すべてを自動化することばかりに目を向けてしまうと、非効率な業務フローになってしまったり、自働化するにはどうしたら良いかということばかりに気をとられてしまうということになりかねません。
自動化はあくまでもサポート的な役回りが中心ということを意識して、全自動化を意識しすぎず、半自動化という考え方を持ちながら運用することをおすすめします。

業務自動化に成功している事例

自動化ツールを導入することで、これまで単純作業に取られていた時間を大幅に削減することが可能です。
実際、毎朝発生していた90分の作業時間がゼロに短縮されたケースや、75時間分の作業時間の短縮に成功したケースなど、業務自動化に成功した事例は数多くあります。
ここでは、業務自動化に成功した事例を3つご紹介します。

毎朝90分の作業がゼロに

FintechとEFOを核としたクラウドマーケティングに取り組んでいるショーケース様。
広告運用を担当するグループにおいて、運用型広告の進捗管理やレポートの作成にかかる工数が課題となっていました。
そこで、広告の運用で得られたデータの処理やレポートの作成をRPAツールであるアシロボによって自動化。
その結果、これまで4名体制で担当していた業務が2名体制に移行できただけでなく、毎朝90分行っていた作業時間がゼロになり、朝8時出社の撤廃に成功しました。

各拠点で共通で行っていた業務を自働化し1作業で75時間の削減

BtoB・BtoC物流をサポートするアップル流通株式会社様。
『ヤマトビジネスメンバーズ』というクラウドサービス上にある運賃請求データのダウンロード作業がルーティン作業として発生しており、毎朝7時に出社して運賃CSVを抽出する骨の折れる作業でした。そこで、アシロボを活用してデータ収集を自動化。
その結果、朝9時にはデータが揃うようになり、複数拠点の業務量を合計すると1回あたり約75時間の業務時間の削減に成功しました。

経理部門でのRPA活用事例

経理業務では、「ネットバンキングにログイン」や「新着の入金表示を確認」、「メールで担当者に入金連絡を送信」といった業務があります。
これらの業務を人による手作業で毎日行うとなると、煩わしさや面倒さを感じてしまうでしょう。
そこで、RPAを導入して自動化を図ることで、日々のルーティン化していた業務が不要となり、担当者の負担を大幅に軽減することが可能です。
また、ロボットが業務を代行してくれて任せることができるため、1週間で100分近くの余剰時間を作り出すこともできました。

RPAによる業務自動化ならアシロボにお任せください

業務自動化のサービスの中には、月額利用料が数十万円を超えるツールも少なくありません。
しかし、中小企業を中心に少ないコストで事務作業を自動化したいというニーズは根強く存在しています。
そんなときは、低価格で業務を自動化できるRPAツールである『アシロボ』を活用してみてはいかがでしょうか。ここでは、アシロボの主な特徴について紹介します。

業界最安値クラスで導入可能

アシロボは、月額5万円から利用が可能なRPAツールです。他のツールでは月額利用料が10万円以上かかることが多くありますが、アシロボは業界最安値クラスで導入することができます。
さらに、月額5万円で2台セットの運用が可能なのも嬉しいポイントです。

また、初期費用も1法人1回限りの20万円がかかるのみで、追加で契約する(2台追加)場合は初期費用は必要ありません。
低価格ながら充実した機能を備えているため、官公庁や大手企業などにも続々導入実績が拡大しています。

実践レベルまで習得できるセミナーも無料

RPAツールを活用する際には、活用のために必要な学習時間がコストになりがちです。
アシロボでは、アシロボを業務レベルまで活用できるようになるためのセミナーが充実しています。連日で実施している「EXCEL講座」や「WEB講座」といった内容を無料で受けることができます。また、レベル別にセミナーを実施しているため、社員のITリテラシーに関わらずアシロボを活用することが可能です。

アシロボなら導入後の無料サポートも充実

RPAツールを導入したは良いものの、導入後にトラブルが発生してしまい、トラブル対応に工数が取られてしまったということは珍しくありません。
また、「実現したい操作があるが、どのように自動化すれば良いのか分からない」というケースもよくあります。アシロボでは、そのような場合に備え、導入後の個別無料サポートを充実しています。サポートの回数制限や人数制限なども設定されていないため、納得がいくまで操作説明を受けることが可能です。

まとめ

業務を効率化するための手段をはじめ、業務効率化に向けたツールの導入手順や活用方法などを解説しました。
データ入力や集計処理といった単純な作業は、できる限りパソコンによる自動化を活用したいのではないでしょうか。また、自動化を行う際には自社にとって最適なツールを選んで自動化することが欠かせません。
ぜひこの記事の内容を活用してさまざまな業務を効果的に自動化し、より一層業務の効率化を進めていきましょう。

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